« そんなこと言われったって、ワシ困る | メイン | 225円の決断 »

2018年3月16日 (金)

「心の汗」をかいてますか?

危機管理23 

  人がかく汗には「体の汗」、「頭の汗」、「心の汗」の3つがある。仕事が中途半端なのは本気でないため。身体の汗をかいていないのだ。仕事で時間がかかるのは頭の汗をかいていなため。いい仕事ができないのは心を働かせず気配りがないため。

 動いて「体の汗」をかいて仕事をするのは当たり前。なにせお客様からお金を頂いているのだから。汗をかかなければ月給泥棒。本気で仕事をすれば自然と汗がでる。

 でも、もう少し「頭の汗」をかいて仕事をすると、体力のいる作業が減り、仕事が効率的になり、より高品位な商品をお客さまに提供できる。頭の汗をかかなければ、それは仕事ではなくルーチンワーク(作業)をしただけ。それは作業であって仕事ではない。それでは新しい付加価値は出せない。今までと同じやり方では後退を意味する。
   なにせ世界は、すごいスピードで変貌している。海外の若者の明晰さは日本人の大卒と同じである。それなら、作業は外国人に任せればよい。

 その仕事に「心の汗」をにじませると、お客さまに感動を伝える仕事(商品)ができる。その汗とは、その仕事に対する思いと誠意から滲み出るものだ。そう、「心の汗」は滲み出てくるもので、流れ出るものではない。管理間接部門のお客様は姿が見えにくいのだが、トヨタ生産方式から言えば後工程がお客さまである。お客さまが感動しない商品を売っていては、このデフレ時代、グルーバル化の時代には、いつか淘汰される。それは企業でも、組織(含む家庭)でも、個人にもあてはまる冷酷な事実なのだ。結果として会社、組織、個人、最後は家族が不幸になる。その責任は汗をかかなかった当人にある。心の汗を滲み出させるのにお金は不要です。

   今、マスコミを賑わしているリストラ、倒産、不祥事等はすべてこの3つの汗をかくのをさぼったためなのだ。そしてこの3つの汗をかかなかった人が、記者会見の場で、冷や汗と油汗をかいて、雛壇から世間様に対して謝罪の頭を下げている。
   汗をかかなかった人は往々に、社会や人のせいにする。そして、自分はかわいそうな存在です、と同情をもらうのである。慰めてもらうのは気持ちがいいもの。また、人に責任転化するのは楽なのだ。でも、それは被害者の人生で、敗残者の人生である。原因を自分に求めないと事態は何も解決しない。責任者なら、リーダーなら、この3つの汗をかき、危機管理の予防処置で3つの汗を流す行動が必要だ。(初稿2003年7月22日)

2018年3月16日

久志能幾研究所    小田泰仙

コメント

コメントを投稿