大垣市政の総括と神仏の啓示
天網恢恢疎にして漏らさず
昨年の2017年4月に、小川敏氏が大垣市長に無投票で再選され、5期目がスタートした。それから、10ヶ月が経ち、新年をむかえたので、その総括をする。
小川敏氏の二つの抱負とこの1年の大垣市政を顧みて、この反省も自戒もない小川敏大垣市長に、大垣の未来を任せて大丈夫なのかと改めて不安になった、が結論である。これでは、大垣市民は夢も希望もなく、楽しくもない。
小川市長の二つの抱負から見えるもの
小川敏氏が5期目の抱負を2017年4月15日付「広報おおがき」で次のように述べた。「5期目の抱負といたしまして、第一に、地震や風水害といった自然災害などから市民の安全を守れる「安心できるまちづくり」を、第二に、企業誘致の推進や広域観光の促進んだ「元気があるまちづくり」を、第三に、「子育て日本一」の取り組みを一層推進し、子供たちが健やかに育ち、安心して子育てができる「美しく子育てができるまちづくり」の政策を重点に行い、未来につないでまいりたいと存じます。」
2018年1月1日付「広報おおがき」で、市長の新年の抱負では、2017年に大垣市が起こした不祥事には、全く言及せず、反省もなく、ノー天気に市政百年での展望を述べている。足元を固めないと、未来には進めない。この反省も自戒もない小川市長で、大垣の未来は大丈夫なのかしら?
2017年4月15日付「広報おおがき」
2018年1月1日付「広報おおがき」
「安全なまちづくり」に違法行為
この半年後の9月に到来した台風21号で、室村町アンダーパスと林町アンダーパスの水没、大垣駅前の高屋町付近の冠水、高屋町交差点地下道の水没で電気回路が破損して封鎖(現在も未復旧)して、大垣市内の交通は麻痺した。小川市政17年間の行政の治水への怠慢が露見した。
大垣市は、市民の安全を無視した違法なドローンでの菓子まきで、ドローンが墜落して人身事故を起こした。それに対して大垣市は責任を業者に押し付けた。その再発防止には全く言及がない。それでなにが「安心できるまちづくり」なのか。抱負の第一「安心できるまちづくり」が大嘘であることが明らかになった。
現在も閉鎖中 向うが大垣駅。大垣駅前の高屋町地下道の封鎖中。簡易的に電灯を付ければ、臨時的には間に合うのに、それさえしない大垣市。
「元気があるまちづくり」の嘘
第二で、企業誘致の推進というが、大垣市を南北に縦断する道路整備を長年放置して、朝夕は市内の道路が大渋滞になっていて大垣経済活動の大損失となっている。今回の水害や少しの大雨で、室村町アンダーパス、林町アンダーパスが通行不能になり、大垣市街の南北には唯一の道、国道258号しか通れなくなっている。大垣経済が頻繁にマヒする血路としての道路行政を長年放置している。それでどうして企業が工場を新設する気になるのか。
広域観光の促進というが、市内の公共トイレは日本一汚いし、大垣城内の武道館は埃だらけで放置したまま、観光の目玉の「四季の路」の案内看板は数か月も鳥の糞で汚れたままだし、新大橋の風情あるランプは錆びだらけ、新大橋の時計の照明は電球が切れても、数年間も放置したまま、大垣観光でひと休みしたり、お土産を買おうにも、お店がシャター通り化して平日は「死の街」だし、入るお店が無い、である。これでどうして広域観光の促進と言えるのか。この平成11年から24年の14年間だけでも、大垣市中心街の商店街で働く従業員の539人が、消えた。大垣市街中心街の商店の売り上げは48%減である。市政17年間ではもっと多い。駅前商店街の半分が店を閉めた。最近は衰退が急速である。駅前商店街の店主の63%がこの5年で売り上げが落ちたと泣く。これでどうして元気になるのか。商店街を寂れさせる元凶の「元気ハツラツ市」で、元気に儲かっているのは、市外、県外の業者と関係者だけである。
大垣市長は、お役人が快適に過ごせる大名屋敷のような新市庁舎の建設には余念がない。その関連建設業者だけは元気である。
鳥の糞だらけの観光看板が数か月も掃除無し(大垣市・「四季の広場」で)
錆だらけのランプ(市の中心地・新大橋)
何年も電灯が消えたままの時計台(大垣市新大橋)。クリスマス用のイルミネーションだけはけばけばしい。行政として保全の基本がなっていない。
「死の街」のような人通りのない大垣駅前商店街 2017年9月8日14:17
「美しく子育てができるまちづくり」の詭弁
第三に、「子育て日本一」というが、一営利団体の商店街のイベントである「元気ハツラツ市」に行政命令で、幼稚園や小学校の子供たちを日曜日に、金儲けのために駆り出しているのに、どうして子供たちが健やかに育ち、安心して子育てができるか。「元気ハツラツ市」では、多人数のキモイ人達(商店街のおかみさんの表現)の取り巻きがウロウロして、幼い子供への教育上で芳しくないのにも関わらず、である。
大垣市長は「子育て日本一」というが、市の総予算に占める教育費比率は、刈谷市(21.7%)、関市(14.3%)、彦根市(11.5%)、各務原市(10.0%)、岐阜市(9.8%)の教育予算を比べても、大垣市の教育予算は10.6%で、なんら予算的に優れているわけではない。むしろ劣っている。大垣市長が針小棒大に「子育て日本一」と宣伝をしているのが滑稽である。刈谷市や関市、各務原市の方が、教育には魅力的な予算配分と事業内容である。
元気ハツラツ市に駆り出された児童達。幼稚園も小学校も大垣市から予算と人事権で縛られている。日曜日でも要請があれば断れない。児童達の私物化である。
天網恢恢疎にして漏らさず
【天の張る網は、広くて一見目が粗いようであるが、悪人を網の目から漏らすことはない。悪事を行えば必ず捕らえられ、天罰をこうむるということ。(「老子」73章)】
昨年の、アンダーパスの水没事故、ドローン墜落人身事故は、人の諫言を聞かず頭を下げるのが大嫌いという噂のある小川敏大垣市長に対する天からの警告であると思う。
「天地は声なき経を唱えける」とは二宮尊徳の言葉である。真摯に、謙虚になれば天の声が聞こえる。頭を高くしていては聴こえない。常盤神社の神事でも居眠りするが如き不敬な姿であった。だから神仏の声は聴こえない。
行政とは人生の旅と同じなのだ。そこで出会った事故や諫言をどう市政に反映するかで、人生や行政が変わる。行政も人の意見や神仏からの啓示を無視すると天罰が下る。
市長の任期は2期8年が普通で、3期では長すぎである。それが5期の20年間の市政ともなれば、腐敗と癒着が横行するのが世に常である。何とかして欲しいが市民の声である。
2018-01-03
久志能幾研究所 小田泰仙 e-mail : yukio.oda.ii@go4.enjoy.ne.jp
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