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2018年1月26日 (金)

大垣は投資に値しない都市

「大垣市中心市街地活性化基本計画」検証6

 大垣市で一番地価の高い高屋町の地価が下がり続けている。誰の責任で、大垣の価値が下がり続けているのか。地価の値は、世間からのその街の働きぶりの評価なのだ。成長している市は地価も成長する。没落していく市は、地価も没落である。

 

地価の上昇・下落の二極化

 名古屋市商業地では、5.3%も地価が上昇している。名古屋駅周辺ではリニア中央新幹線の開業を見越して再開発ラッシュが続く。新たなオフィスや商業ビルが相次いで誕生している。今後も名古屋鉄道や三井不動産による大型開発も控える。対照的に、地価の下がっている地区もある。国土交通省幹部は「空き家が多い地域ほど地価が下がる」という(日本経済新聞2017年9月21日)。

 名古屋駅からJRで僅か32分の大垣なら、リニアが走れば、大垣は将来、東京の通勤圏となる。地価が上がっても不思議ではない。それなのに、大垣駅前の時価が下がり続けている。大垣駅前は空き店舗が増えるばかりである。街の商店主に聞けば、大垣は投資に値しない都市なので、大垣に店を構える商業者が岐阜や他市にどんどん逃げていっているという。情けない話である。

 「大垣市中心市街地活性化基本計画」P14では、人ごとの評論家のように、単に「地価が下り続けていますね」で終わっている。何故地値がっているかの解析も対策もない。書くだけ紙の無駄である。それは誰の責任かを明記すべきなのだ。その原因を解明せず、大垣市の活性などは実現できない。無責任である。

 

ビジネス文書の使命

 1994年にミシガン大学で、テクニカルライティングセミナーを受講した時の課題は、「アナーバ市の春の気温は20度です。夏は30度、秋は20度、冬は0度です。さようなら」という文章の解説を述べよ、であった。このレベルの文書しか書けないビジネスマンは米国では首とのこと。この文章を読んだ上司は、「で、どうしたいのだ?」と必ず聞いてくる。上記文章には結論も推奨もない。全く付加価値のない文章である。

 上記文章に、「アナーバ市は、温暖な気候で、住みやすい都市です。是非、土地の購入をお勧めします」等の結論がないと、ビジネス文書として成り立たない。

 「大垣市中心市街地活性化基本計画」P14では、人ごとの評論家のように、単に「地価が下り続けていますね」で終わっているが、このデータの結論は、「だから、大垣は投資に値しない都市である。」。それで大垣市役所はその原因と対策をどうするのか? その地価の目標値は幾らにするかを明記するのが、ビジネスマンである。上記計画書には、全く記載がない。大垣市役人は、大垣衰退に瀕していても、ノー天気である。

P14

社長の使命は企業価値を上げること

 カレーハウスCoCo壱番屋の創業者の宗次徳二氏は、毎日4時に起きて2時間、お客様の声の手紙を読んで、経営に反映した。それでCoCo壱番屋の企業価値を上げ、最終的に、世界一のカレーチェーン店を築き上げた。その持ち株分をハウス食品に200億円で売却した。それで今の宗次ホールが建設できた。今でも朝早く起きて、社会貢献として宗次ホールの周辺の掃除を2時間もされている。

 大垣市の社長は、大垣市長である。大垣市長は、伝聞では頭が高く、人の話を聞かないという噂がある。氏が経営する大垣市は、市の付加価値が下がる一方である。世界一のカレー店チェーン店を築き上げた宗次徳二氏と大垣市長は、何が違うのか。

 

人生経営の目的は己の価値を上げること

 人生での使命とは、己の付加価値を最大限に上げて、この世に報恩をして、あの世に旅立つことである。宗次徳二氏は、お客様の声の手紙を30年間、毎日2時間も読み続けて、それを経営に反映して企業価値を最大限にした。お客様の声は佛の声なのだ。

 

耳中常聞逆耳之言 

 耳には常に痛いことばかり。それが自分を鍛えることになる。甘い言葉で褒められるのは、遅延性の毒を盛られるようなもの。(洪自誠著『菜根譚』)

 お客様が寄ってたかって、自分を幸せにしてくれる。自分に厳しいことを言ってくれるのは、自分を育てるため。自分への厳しいお客様の諫言は、佛の声である。辛口の批評は、己の間違いを教えてくれる。私を幸せにしようと思わない相手は、無視をする。愛の反対は憎悪でなく、無視である。人が甘い言葉をいい、お世辞やおべんちゃらを言うのは、自分を貶めるための罠である。自分に向けられる厳しい言葉を、自分を鍛える愛の言葉と解釈しよう。そう思うと、神仏が人を介して、己を幸せにしてくれるご縁を恵んでくれるのだ。

 お役人は、頭が高く、その諫言を聴く耳を持たない。大垣市が衰退するのも故あること。市民の声を全く無視したのが、「大垣市中心市街地活性化基本計画」である。

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会議は踊り、船は沈む

 「大垣市中心市街地活性化基本計画」の海図に基づき大垣市船が驀進する。大垣市船の船底には穴が開き、水が浸水していて沈没し続けている。「大垣市中心市街地活性化会議」は踊り、甲板上で大垣を衰退に導く「元気ハツラツ市」痴呆の舞いに狂い、船の安全を祈願する神事で、船長は居眠りし、船は迷走している。大垣市の地価は下がり続けている。大垣一夜城の夢物語りである。

2p1030045  前列は関係者ばかり

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添付ファイルp14.PDFをダウンロード   p14-大垣市中心市街地活性化基本計画

2018-01-26

久志能幾研究所 小田泰仙  e-mail :  yukio.oda.ii@go4.enjoy.ne.jp

HP: https://yukioodaii.wixsite.com/mysite

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