「桜田門外ノ変」の検証 (28)極楽とんぼ
自動車技術会中部支部報『宙舞』の挑戦というコーナで、2003 年に人力飛行機で日本記録更新の人力飛行機開発者ヤマハ発動機(株)エンジン開発室の鈴木正人さん(当時)に、インタビューをした。鈴木さんは1979年からほぼ毎年、20年に渡り彦根市の琵琶湖で鳥人間コンテストにチャレンジしている(2005年現在)。彦根とのご縁である。
その時のご縁で、技術者として記録に挑戦する真摯な姿にほれ込み、しばらく鈴木さんのチーム「エアロセプシー」の「極楽とんぼ」追っかけをしたことがある。長野県の農業飛行場や東京の日本航空学園の飛行場まで足を伸ばした。前の勤務先の会社では、技術部門の教育担当責任者として鈴木さんの講演会を企画し、講演をして頂いた。
創造とは
この鈴木さんとのインタビューを通して、ヤマハ発動機の感動・創造・挑戦という社風に興味を抱いた。その縁でヤマハ発動機前社長の長谷川武彦著『感動創造経営』を読み感銘した言葉が、創造の「創」の字の解説である。
創という文字の偏である「倉」には、傷という意味がある。つくりの「リ」(りっとう)は、文字通り刀のことである。つまり「創」という字は、刀傷を表しているということだ。私は「創造」という文字をみたときに、刀で切られた傷を思い描いてしまう。
刀傷というのは、自分を刀で斬る人はいないから戦闘状態のときに他人に切られるのが自然である。もちろん刀傷だから、深く切られれば死ぬことになるが浅く切られたキズは、時代劇の一場面のように、焼酎を吹き掛け、晒をまいて「死んでたまるか!」と気合を入れれば傷跡に肉が噴き、治っていく。そしてその新しい肉と皮膚は、以前に増して強固なものになってくる。これこそが人間の生命力であり、創造の「創」につながる。(長谷川武彦著『感動創造経営』PHP研究所刊 より)
井伊直弼の決断の結末
井伊直弼公が新しい日本国の創造のため、「千古を洞観し、古今を一視する」として断固たる決意でとった行動は、結果として日本国として、傷だらけ、血みどろの闘争になり、多くの犠牲者の中から後を継ぐ新しい芽を噴きださせ、幕末の争乱を経て明治維新となり、工業国家を目指す近代国家が成立する。
井伊直弼公が斃れた後150年余を経て、世界の冠たる工業国家となった今日、彦根の空を人力飛行機で世界一を目指して挑戦している自動車技術者の夢が舞っている。井伊直弼公は文武兼備の才人であった。時代が彼を要求しなければ、市政の一文化人として名を残しただけであろう。文化人としての彼は茶道の書も著している。その井伊直弼公の眠る地(菩提寺の清涼寺の門は琵琶湖の方向を向いている)で、人力飛行機の技術の花と20年に渡る若人の技術者の志の華が、鳥人間コンテストとして、琵琶湖の上空で舞っている。感慨深いものがある。
現代の黒船来襲
若人が平和な琵琶湖上空で技術を競う中、それに海の外では、北朝鮮問題、尖閣問題、韓国の反日運動と問題が押し寄せている。その折、国内では、反日思想の新聞、テレビ、雑誌のマスコミ、政党が日本を跋扈している。幕末の騒乱の折は、幕府と討幕の対立はあったが、反日の動きはなかった。幕末の騒乱に乗じて、日本での利権を確保しようとした英国、フランスの画策はあったが、それを退けて明治政府への政権交代が実現した。
しかし、現代は身内の虫が獅子を食らい「日本打倒! 安倍政権打倒! なんでも反対!」と叫んで蠢いている。それも代案を出さずに反対だけを叫ぶ。私は安倍政策に全面賛成ではないが、サヨクの日本打倒には賛成しかねる。それを異常と考えないで見過ごしている日本人が情けない。アサヒ等の反日の新聞を購入し、反日のテレビ番組の反日報道をなんとなく見ているのは、敵に塩を送っているのと同じである。今は第二の国難の時である。座していれば日本は亡ぶ。日本を亡ぼすのは、日本国内の害虫である。
図1 「極楽とんぼ」の飛騨エアパークでのテスト飛行
2004年5月29日
図2 鈴木正人さんとパイロットの中山さん
鳥人間コンテスト会場で 2004年8月1日
この日は、台風接近の強風のため、飛行機を無駄に壊すだけになる飛行を取りやめの決断をする。やめるというのも、1年かけて作った大事な飛行機を無駄に壊さないための未来に対する大きな決断である。猪突猛進は愚かである。その決断の経緯をまじかで観察できた。同席していた長谷川武彦ヤマハ発動機前社長も賛成であった。多くのチームがメンツの為、飛行を強行して強風にあおられて墜落していった。
図3 長谷川武彦ヤマハ発動機前社長と
鳥人間コンテスト会場で 2004年8月1日
チームのシャツを贈呈されてご機嫌な私
図4 琵琶湖での鳥人間コンテスト風景 2005年7月17日
2017-09-30
久志能幾研究所 小田泰仙 HP: https://yukioodaii.wixsite.com/mysite
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