55年間の加減乗除
人生経営の中間決算後
2016年3月4日、謝恩の意味を込めて中学の時の恩師・子安一徳先生と会食をしたら、今度の4月に中学の同窓会があるとの情報を教えて頂いた。中学を卒業してから住所を数回変わっているので、同窓会の案内が届いていなかった。ご縁として早々に幹事に連絡を取り参加を決めた。
妖怪変化
2016年4月23日の同窓会で55年ぶりに会う仲間の顔は、記憶の忘却と体形と顔の変貌で見分けはほとんど不可能であった。かろうじて憶えている名前で名札を見て確認し、その仲間をその変貌振りに驚嘆するばかりである。当時58kgであった精悍な柔道少年が、95 kgの肥満体に変貌している様は半世紀の年月の流れを感じさせる。女性は男性以上に変貌が激しくて記憶が全く役に立たない。 自分のクラス44名中で、8名が既に他界していた現実には考えさせられる。多くの知っている昔の学友の名前の欄に「亡」との記載があり、愕然とした。生きていることと健康の有り難さをつくづくと感じた。
ローリング ストーンズ
今回の中学の同窓会では昨年の高校の同窓会ではあまり感じなかった人の成長の差のばらつきを感じた。65年も人間をやってきて、中学生の頃とあまり変わっていない人格に、成長のなさを感じた人も多くいた。佛様が55年間に与えた試練をどう受け止めたかが垣間見れた再会であった。開けている大垣ではあるが、地元で田舎の風習に染まって育ち、外の文化に触れなかったためか、宴会でその天性爛漫な性を露天し成長していない様を出す人が多くいた。外の空気に触れる大事さを感じ、自分の成長の位置づけを感じることが出来、あちこちと流されて多くの経験を与えられたことに感謝をした次第である。
宴会に後半になり、宴会会場でカラオケ大会が始まり小時間ほど大騒音の中の宴会場となった。騒音のため歓談もままならぬようになったので、暫く外のロビーでそこにいた仲間と雑談をしてすごした。会場の多くの人がカラオケなど聞いてはいないのだが、歌う者だけが盛り上がっている。こういう場でのカラオケ大会は初めての経験である。65歳にもなってこういう場でカラオケ大会を企画する神経と、歌って自己満足して、人と場の空気を読めない神経に幼さを感じた。幹事たちの閉鎖的な成長していない田舎の感性を感じて、50年間の人生試練の加減乗除の差を感じた。歌いたい人は別室で自分達だけで楽しめばよい。多くの人が歓談したい場では、カラオケはご法度である。それは音の暴力である。それが分からない人に説法をしても始まらないので、そっとその場を離れるのが賢明であろう。
佛様からの問い
この場の状況が現時点の現実である。思わず彦根市の天寧寺の五百羅漢像を思い浮かべた。行けば必ず己に会えるという五百羅漢である。55年が経過した同級生の姿が五百羅漢である。そこに己とそっくりな姿がある。55年間、仏様が遠火で熟成した結果が今の姿である。目の前の相手は、己を写す鏡である。現実を冷静に見つめたい。それを見て自分はどうするかが、佛様から己への問いかけである。まだ人生軌道を修正する時間は残っている。
図1 1961年3月 大垣北中学校 Jクラス 卒業アルバム
中央は子安一徳先生、3列目中央が著者
図2 2012年11月18日 恩師の子安一徳先生と再会
大垣文化連盟の応接室で。大垣文化連盟の理事長で現役
図3 天寧寺の五百羅漢(彦根市)
2017-08-27
久志能幾研究所 小田泰仙 HP: https://yukioodaii.wixsite.com/mysite
著作権の関係で無断引用、無断転載を禁止します。
コメント