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2017年8月28日 (月)

トヨタ式ダイエットで14kg減(7/7) 心の肥満

心のダイエット

  トヨタ生産方式の原則は、適正在庫である。必要な時に必要なものを生産する。過剰に在庫があるとその管理費で、儲からなくなる。過剰になれば、病気になる。自分で処理できない事項を抱え込むから、病気(鬱病)になる。自然の理である。

 

頭の肥満

 ガンガンと研修でがなり立てて、受講生を追い詰める講師がいる。ガンガン、バリバリと熱い話を一方的に頭に押し込んでも、受講生には受け入れられない。体にビタミンCがいいからと大量に摂っても一定以上は排出されるだけ。それが自然の体の摂理である。頭に入れる情報も同じで、まずその器を大きくしないと、頭に入らない。いくら精神論で頑張っても長くは続かない。それでは頭でっかちという過剰在庫状態の肥満体となる。理論ばかりで実践ができない。

 頭でっかちの経済学者は、理論と合わないと、現実が間違っていると暴言を吐く。わざと簡単なことを難しく言う大学教授が跋扈する。難しいことを簡単に説明してくれる師が、本物の師である。

 

鬱病の氾濫

 現代社会では鬱病が蔓延している。鬱とは木が鬱蒼と生い茂っている状態を言う。要は、自分の心の許容容量以上に物事を抱え込んで、身動き取れない状況を現している。心が肥満体になっている。心のダイエットをしなさい、である。その療法は簡単である。持てる荷物を下せばよい。ケセラセラと居直ればよい。要は、自分の能力以上に、物事を抱え込んだのだ。成果主義の影響で、会社が過大な負荷を若者に掛けるからだ。それで若者が自殺をすれば、殺人罪である。相手の能力を見る能力のない管理職が若者を地獄に追いやる。

 太陽を浴びて、心穏やかに人間らしく過ごす。仕事量を減らす。その修羅場から去る。それで鬱病は直る。薬を飲んでも、鬱病は直らない。何が哀しくてそんな会社にしがみつくのか。しがみ付いて、挙句に自殺をするでは哀しすぎる。その仕事は命より大事なのかを考えよ、である。太陽を浴びて明るい場所で考えれば、悩んでいたことがなんと小さいことかに気が付く。暗い部屋に閉じこもっているから、ますます落ち込む。ノーベル賞を取らなくてもいいから、美しいものに感動する心を養うこと、精神性を高めて、物欲を捨てれば、鬱にはならない。もっと自然の美しさ、精神の美しさが分かれば、鬱病は去っていく。

 

 ノーベル賞の受賞者が輩出する国には2つの条件がある。第一に、幼年期から成長していく過程で、身近に美しいものに接すること。豊かな自然や優れた芸術、文学に触れて美的感受性を養うこと。第二に、精神性を尊ぶ風土も不可欠です。金儲けや実用性だけを追及せず、役に立たないと思えても精神性の高いものには敬意を払う土壌が肝要と言えます。(数学者・藤原正彦氏『週刊新潮』2014年10月23日号)

 

 私の部下も鬱病にかかる例が多かった。私が管理部署の長であったので、実戦部隊から多くの社員が鬱寸前の状態で、管理部署なら楽だろうと、異動で送り込んできた。そのため、部下の鬱の病状とその対策を研究する羽目となった。それで分かったことは、医師は鬱で病院に来ると、門を閉ざして我々管理職との接触を断つ。患者の個人情報だからと、その情報を我々の管理者には教えない。医師は、鬱症状で来るものは拒まずで、来院した患者は全て、鬱病と診断して、薬漬けにする。儲かるからだ。私は多くの関連図書を読んで、鬱は薬では治らないことを学んだ。医師に罹っている部下に、医師ではない私は、口出しをできないジレンマに悩まされた。会社の保健婦でさえ、医師にかかり薬を飲めば治ると思っているのが情けない。

 

一流と三流が演ずる人生曼陀羅

 一流の人は超一流を目指す。二流の人は一流を目指す。三流の人間は逆恨みをする。三流の部下に何を言っても、全て反発をして効果がない。合併後、相手先の研究所に異動になって、なんでこんなレベルの社員がいるのか、と驚く風景があった。なんでも使い物にならない社員を送り込む先が、管理部門であるのが伝統だという。前任の部長が、とにかく人が欲しいので、一般職も基幹職も、雑魚でいいからと集めたと白状していた。一流会社などの管理部門は全く逆の人事を行っていた。

 私も部門の長として過去に、精神異常者1名、うつ病患者3名を抱えた経験があり、会社の保健婦と両親とで話し合いをしたことがある。この種の対応で医師は、患者の言うことは絶対に否定しない。また患者の秘守義務とかで、その相談内容はおろか、会社の保健婦にでも医師は面会拒絶で情報提供を拒否する。うつ病状態を訴えれば、何時でも誰でも全員が病人にされるし、なることができる。それで医師も儲かるし、薬剤メーカも大儲けである。訴えた社員も大手を振って休める。しかし薬では鬱病は治らないし、薬依存症になる。このとき、鬱病関係の本を10冊近く集め、読んでこの方面の医療不備の実態を知った。

 私はその部下(少し言動がおかしい)を見るに見かねて初めて叱った。それが鬱病の診断書を提出し(病気の真偽は不明)、1週間ほど休んで出てきたが、けろっとしている。たった一回叱っただけで、鬱病になるわけはないが、社員が訴えれば会社も動かざるを得ない。ある意味、嵌められたようである。

 また室内のある三流社員に思い悩んで、あるリーダー研修を受けるように指導したら、人事に苦情を通報された。私は室長として指導したのだが、三流社員はそうは取らない。刺すのである。そのリーダー研修は、前の会社では役員会で承認されていたリーダー研修であった。私が役員会に提案して、それが承認されて、合併されるまで主任クラスを受講させていた実績があった。合併後の拝金主義の上司は、これが理解できなかったようだ。

 そうしているうち、その職場の軋轢で、私が鬱状態になってしまった。保健婦にメンタルの不調を訴えたら、「小田さんは軽い症状だから、少し薬を処方してもらえば、すぐ元気なりますよ」とノー天気に言って、早々に帰っていった。その後、二度と来なかった。かなり後になって来た時は、メタボの体重管理の件で来て、メンタル不調の件はフォローしない保健婦であった。保健婦の対応は、あくまで対処療法である。この状況で、保健婦を信用できなくなり、自分で治すことになる。

 鬱病は企業の病気なのに、対処療法では何の解決にもならない。あくまで医師は薬を使って治療をするだけ。病気はその原因を除去して自分が直さないと、治癒しない。医師や保健婦に治療やアドバイスはできるが、病気の根絶はできない。この病気を治すには、経営者の立場で企業の体質を直さないと、永遠にうつ病患者が増えるだけだ。当時、周りで主任クラス、課長クラスがメンタル病でばたばたと倒れていた。辞めて行った社員も多い。部下を倒した数が多い管理職ほど出世していった。その管理職は、親会社から使い物にならないとして、当社に出向させられてきた部長クラスであった。保健婦は、倒れた人の数のデータを取って、統計解析をして表面的な結論を出して悦に入っていた。その真因の追及には目を背けている。鬱病が増えて儲かるのは医師と薬メーカである。この病気の根本原因を除去できるのは、企業の社長しかいない。拝金主義で成果主義の経営者では無理である。それで、自分で本を読み漁り、薬も飲まず、医者にもかからず直した。それで今の自分がある。

 そんな事例の背景を、電通の女子社員が自殺した事件(2015年12月25日)に垣間見て哀しい気持ちになる。電通鬼十則は、私も昔に憧れたが(?)、それが全ての人に適合できるわけではない。人にはもてるキャパシティがあり、それを考慮せず成果主義の道具として、もてあそんだ結果が女子社員が自殺事件である。

 松下幸之助経営塾で講話(2013年3月16日)を聞いた梅原勝彦氏(エーワン精密創業者)もうつ病になったという。チャーチル元首相がうつ病にかかっていたことは良く知られている。「特に精神が繊細で、責任感があって、酒を飲んで発散できない人は危ない」と梅原勝彦氏はいう『日経ビジネス2013.4.1』。本来、周りが相応の配慮があるのが治療の定石であるが、当時の職場は全く逆で、毎日が針の筵であった。

 

心の肥満

 高尚なことばかりを聞いていては、心の糖尿病になってしまう。高尚なことではなく、ます小さな善意と気配りの行動を社会に示そう。高尚なことを言っている輩に限って、社会人として大事なことを実行できない。心が肥満で、正しく動けないのだ。

 ある時、某ホテルの玄関前に、人が入るのに邪魔になるような横暴な停め方の外車があった。それは毎土曜日にホテルで開催しているある経営者セミナーの講師の車であった。その会の会長が最敬礼で、その講師の外車を見送っていた。その経営者セミナーの会は、高尚な理念を唱える会であるが、その実態を目撃して目が覚めた。偉そうなことをいう輩に限って、自分自身は社会の最低限のマナーが守れない。そういう輩は、精神が繊細でなく、責任感もなく、気配り心もなく、酒を飲んで発散するので、鬱病にはかからない。それは良き反面教師であった。それを見習って、辛いことがあってもケセラセラと居直ろう。もっと周りを良く見て自分の人生を大事にしよう。

 

図1 集めた鬱病関係の図書

図2 梅原勝彦氏

 

2017-08-28

久志能幾研究所 小田泰仙  HP: https://yukioodaii.wixsite.com/mysite

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