ヤマハ掛川本社 ピアノ工場見学
技術者(自動車部品開発者、工作機械開発者、生産技術開発者、人材育成担当者)としてピアノ製造工程に興味があり、その見学をお願いして、2013年12月17日、名古屋の販売課長の小川さんの案内で掛川の本社工場を見学した。普通は10名位のグループで見学ツアーを組むのだが、たまたま当日の見学者は私だけという幸運に恵まれた。工場案内者の西郷さんに各工程を案内して頂いた。
ショールームには、明治天皇がお買い上げされ、練習もされたという1903年製造のピアノの音色を真横で聞かせていただいた。案内の西郷さんがスケールを弾いた。ピアノが「ご高齢」で完全な調律ができない状態とのことで、スケールを弾いただけで曲は弾かれなかった。それでも明治天皇が弾かれた音色と思いを馳せると何か感じるものがある。弾くことを勧められたが、畏れ多く辞退した。今思うと少し残念であった。このピアノは大阪の博覧会に出品され1等賞を獲得し、天皇家がお買い上げになった。その後、民間に払い下げられ、幾多のご縁を経て、ヤマハ本社に戻ったという。現在、近代化産業遺産として登録されている歴史の証人である。
20世紀最大のピアニストと称されたロシアのスヴャトスラフ・テオフィーロヴィチ・リヒテルが来日時、演奏会で使ったコンサートピアノの前で記念撮影をした。早く弾けるようになりたいもの。しかし、この時も今も私はまだリヒテルの偉大さが理解できていない。なにせレコードを聴いていないので評価をしようがない。今まではジャズ一本槍で、まだクラッシックに疎く、興味を持ち始めたったばかりで、その面の知識が疎い。
ショールーム全体の雰囲気は素晴らしい。
惜しむらくは、創業者の紹介パネルの英文である。学校英語の書き方で、世界の音楽家や著名人が見学に訪れるヤマハの看板ショールームのパネルとしてお粗末である。テクニカルライティングにこだわりのある私から見て、ビジネスとしての正しい簡潔な英語になっていないのが残念である。英語ができるのと、世界に通用するビジネス英文を書けるのとは、全く別の世界である。外国なら子供でも英語ができる。しかしその英語は、ビジネス社会では通用しない。それは日本語でも同じである。またルビが振ってある日本語であるが、小さい子を対象としたのは分かるが、ピアノを弾くようなレベルの高い子を対象にしているはずで、ルビは不要ではないか。これを読む大多数の人には、ルビはうっとうしい。
この時点(2013年12月)では、猫足のピアノを発注したばかりで、納期は半年先であった。2014年4月1日の消費税8%アップ前に、おりこうさんな猫足のピアノは、3月末に滑り込みセーフで日暮れの夕刻、猫足でソーッと自宅にやってきた。
図1 明治天皇ご愛用のピアノ
図2 説明書
図3 最初のオルガン
図4 日本楽器製造株式の表示のあるピアノ
図5 昭和初期のピアノ
図6 小室哲哉のスペシャルEXPOピアノ
図7 リヒテルが使ったピアノ
図8 リヒテルのピアノの前で
図9 ヤマハ創業者 山葉寅楠の説明パネル
図9 ヤマハショールーム
2017-07-07
久志能幾研究所 小田泰仙 HP: https://yukioodaii.wixsite.com/mysite
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