人生航海を照らす灯台
人生を航海に例えると、航海の目印になるのが灯台である。夜明け前の一番暗いときも、人生の目印として灯台はいつも明かりを照らしている。それが己の戒めであり、師の後ろ姿である。実際の灯台の灯が簡単であるように、師の一言はさり気ない。しかしその一言が人生の灯火になることもある。師の一言には魂が籠もっている。
生きていれば、五里夢中も真っ暗闇の時もある。進むべき道や方向が見えなくとも、どちらの方向に灯台があるかが分かればそれでいい。明けない夜はない。方向さえ間違わなければ、紆余曲折してでも目的地にたどり着ける。人間だもの、右往左往して当たり前。天才ではない我々は、長生きしてゆっくりと目的地にたどり着けばよい。健康管理を怠り病気になるから途中で沈没する。エリートでないので、一番になるためシャカリキになる必要もない。
私は灯台を見ると、なぜか引きつけられる。2011年、(株)トラベルプラン主催のシシリア島へのスケッチ旅行に参加したとき、チェルファの寂れた漁村で下記の灯台を見て人生を感じた。チェルファに滞在中の3日間に、この場所に3回も訪れ、夜明け時の風景を眺めて少し長い時間を過ごした。なぜか心の安らぎを得た。この寂れた寒村には、我々のツアー以外の日本人はいなかった。治安もよく安心して海岸の路を歩き回れたのが良かった。
図1~4 シシリア島チェルファの灯台(2011年11月10日)
地中海を航行する船のガイド役である
久志能幾研究所 小田泰仙 HP: https://yukioodaii.wixsite.com/mysite
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