インプラント 17(テクニカルライティング視点)
3.17 テクニカルライティングの視点からの判断
新興宗教は、ご利益とお布施そして都合の悪い話しはしない、で信者をねずみ講的に増やしている。儲かるのは教祖である。そして「足抜け」が難しい。その点で、インプラントの普及と似ている。
その昔、オオム真理教の上祐広報部長(当時)が、テレビのディベート番組で、テクニカルライティングの手法で論理的に相手を論破していた。私のテクニカルライティングの師であるの早稲田大学篠田教授が、「最初に結論を言って、その次にデータでその裏付けをしているので、いかにもテクニカルライティングの手法だが、データを多く見せているだけで、自分達に都合の悪いことは何も言ってない。またそのデータの真偽を証明していないので、論理が間違っている。上祐広報部長の論法は、データを多くして、焦点をぼかしている。これは本当の論理的な説得ではない。」と論説した番組があった。
その篠田教授のコメントのテレビ放映後、その夜、オオムからの怖いアクションがあった。テレビ出演後、オウムからテレビ局に1回、自宅に2回も電話があった。そのため、その夜NHKから、翌朝の番組への出演依頼があったのだが、命に係わることなので、先生は出演を辞退された。また一時期、不審者の尾行が付いたため先生には警察から護衛がついた。またこのTV収録でも、かなりの部分をカットしたとのことだが、それでもこの有り様であった。
上祐被告(当時)は早稲田在学中、篠田教授の講座を取っていたとのこと。篠田教授は、「当時学生の上祐被告だけが、いつも英語で質問してきたので、よく覚えている」と仰っていた。インプラントの調査の過程で、篠田先生とオオム真理教にまつわる事件を思い出した。インプラントに関する都合のわるい情報を歯科医やインプラント解説本は患者に開示していないのが現実である。そして歯科医側やメーカは桁違いの利益を得ている。これではインプラント真理教である。私がかかった歯科医は、インプラントの専門医である。私はインプラントの知識も関心もない時にこの歯科医にかかり、抜歯後にインプラントの問題に直面した。
担当歯科医の履歴
2001年 〇〇歯科大学卒業
2004年 〇〇の歯科医院に勤務
その歯科医は国際インプラント学会指導医。インプラントの著書も多い。
その元でインプラント治療技術の修行をする
2007年 米国〇〇〇インプラントコース〇期生
2010年 インプラント100時間講習終了
2011年 〇〇〇〇〇インプラント公認インストラクター認定
2012年 米国〇〇〇インプラントコース〇期生
インプラント真理教?
この歯科医は、インプラントが絶対であるとの「洗脳」での研修を数多く受けている。指導の医師が国際インプラント学会の指導医であるので、それに疑問も感じず、ひたすらインプラント「教」を学んできた趣がある。それ故、インプラント大好き医師で、患者にはインプラントを勧める。自分の家族の場合にも抜歯の場合は、インプラントを勧めると言っていた。私はそんな履歴を知らないので、説明を聞いてインプラントの手術をする気になった。
技術畑出身の自分としては、この種のことはメリット、デメリットの比較検証をして慎重に採用の可否を決めるのが常道である。しかし、医院からは、デメリットの件の情報開示はない。一部が文書でさらりと書いてあるだけ。特にインプラント歯周病、その対策を怠った場合の危険性、アレルギー、経年変化、異物としての免疫拒否反応の事前説明はない。解説書にも説明文もなく、手術同意書にも記載がない。自分の都合の悪いことを公開せず、ご利益ばかり説明し、自身は多大の利益を得るのは、悪い「新興宗教」であるとの結論に至った。
「霧の中を行けばおぼえざるに衣しめる。
よき人に近づけばおぼえざるによき人となる」(『正法眼蔵随聞記』)
「正師を得ずんば学ばざるにしかず」(道元)
道元禅師は、正しい師を得られないのであれば、むしろ学ばないほうがよいとまで極言されている。人生とは師を求めて歩く旅であり、誰に出会うかにより、創られる世界や、目的地が変わってくる。正師でない人に、ローマに行くべき道を尋ねたら、シベリア流刑地行きの道を教えられたのと同じである。安易に極楽に行ける手法を狂祖から学んだら、行き先が絞首刑台であったのは、オオム真理教信徒達であった。小さい時から芸事に接すれば、簡単に能力が身に付くなどとの愚かな考えには至らない。
図1 篠田教授との会食 名古屋キャッスルホテルにて 2000年8月24日
左から2人目が篠田教授。右端は私の英語の師匠、後藤悦夫先生、左端は小生。
2017-07-29
久志能幾研究所 小田泰仙 HP: https://yukioodaii.wixsite.com/mysite
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