インプラント 13(動機、衆知)
3.10 動機善なりや?
JALを再建させた京セラの稲盛和夫会長が、新事業やプロジェクトを始めるときに自分に問う言葉が「動機善なりや 私心なかりせか」である。世のため人のために行う事業であれば、絶対に成功する。稲盛氏はそうやって新事業に進出し、成功させてきた。
インプラントの最初はスウェーデンのブローネマルク教授の善意により開発され、教授は本件に関する特許も取らなかった。しかし、現在のインプランとは、医師にとっては、利益率の高い商売として「資本の論理」に支配されている。それ故、供給側は過剰な利益を上げている。現在の歯科医にとっても、「動機が善」とはとてもいえない。動機が善でもない医療行為が、何らかの悪影響を患者に及ぼしていると考えると、手術は避けるべきと私は判断した。そもそもインプラントは医療行為ではない。
3.11 衆知を集めて決断
今回の調査で北は北海道から南は宮崎まで、私から見て、歯の悪くなる年代の人であって、見識ある全国の知人(多くは中小企業の社長)に問い合わせをして情報を収集した。これは松下幸之助翁がいう「衆知を集める」経営手法である。
この聞き込みの結果は、63人中、25人がインプラントに反対である。人間の体に関する問題であるから、多数決で決める問題ではなく、危険性が少しでもあれば、止めるか、当面様子を見るのが妥当な判断であると結論を出した。それも少しではなく、全国の見識ある人たちの4割が反対である。
聞き込みデータのまとめ
インプラントに対して
否定派 25人
肯定派 19人
無関係派 19人
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合計 63人
2017-07-25
久志能幾研究所 小田泰仙 HP: https://yukioodaii.wixsite.com/mysite
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