« あなたは裏切り者? 人殺し? 女殺し? | メイン | カテゴリー「極楽運転道」追加 »

2017年6月24日 (土)

007の上司に見る深層心理学

007ジェームス・ボンドの上司

 「おはよう↴」という言葉で、頭の隅にこびりついているのは、007シリーズでジェームス・ボンドの上司のテープの声である。その冒頭は「おはよう。ボンド君」で始めるメッセージである。声優・大平透が演じる上司役のドスの効いた「おはよう」はいかにも威圧的で、明確な上下関係を思い知らせてくれる。これが「おはようございます。ボンド君」ではサマにならない。つまり上司にとって007は、組織の道具であって、ボンド氏が死んでもなんとも思っていないとのメッセージでもある。このメッセージは「このテープは自動的に消滅する」というエンディグで終わり、テープは煙とともに消滅するが、頭にこびりついた威圧感とその背後のメッセージは永遠に頭の中に残っている。

 

 「おはよう」の語感

「おはよう」「おはようございます」は語感と意味が違う。「おはよう」と言うと、自然とトーンは下がるが、「おはようございます」ではトーンは上がる。「おはよう」は相手を見下したトーンで、絶対的な上下のある場合に意識的に使う挨拶である。たとえば親が子供に言う時、軍隊での上下関係の場合の挨拶です。それに対して「おはようございます」は、相手を対等な人間として敬意をもって接している姿である。

 組織での職位は、あくまで職務を遂行するための役割でしかない。あくまで人間的には対等である。心ない人は、往々に職位によって自分が部下よりも人間的に偉いだと思いがちだ。その潜在意識が朝の挨拶や日頃の言動に出てくる。

 そんな事例が朝の職場のあちこちで展開されている。人間観察の事例は目を凝らしてさえ見れば、回りに数多くある。そういった意識の観察が、人を見る目を養ってくれる。危機意識を高めてくれる。組織を成長させるのも壊すのも人だからだ。

 

潜在意識の現われ

 人は過去の体験、経験、考え方(潜在意識)を日頃の言動で表している。顕在意識は潜在意識の10%しか表れないと言われている。その潜在意識が顕在意識をコントロールしている。だからその人の言動が、その人の人生とも言われる所以である。その人が他人をどう思っているか、態度、言葉づかいに全て出ます。それに注意をしている人は、その言動を見逃しません。気づかないのは発信している本人だけである。謙虚になって自他を観察すれば自明の事象です。自分の組織をあるべき方向にもってくために、リーダーであるべき人はそういった些細な信号を見逃さないことである。そういう人を考慮して組織を構築するのが組織を危機から守ってくれます。人を見下す人が上にいる組織は、組織の活性化(成果)に対して最終的に大きな差を生み出します。

 

 心眼で聴く

 耳を澄ませてみよう。目を見開いてみよう。目を閉じて心眼で凝視してみよう。上司の仮面の下のあなたに対する生の本音と本性が聴こえる。観える。浮かび上がる。

 上司は部下が貴方の一言、一挙動を観察していることを肝に銘じるべきだ。部下は上司にとって極めつきの時、そのしっぺ返しをする。それは全て自分が蒔いた巻いた種の因果である。気が付いた時は、遅いのだ。そういう自戒をもって、メンバーと接していって欲しい。リーダーとは、チームの一体感を体現する存在である。

 

「おはよう↴」の行く末

 挨拶一つで上司の心と人格が透けて見える。だから部下が言うことをきかない。勤続38年間の前職で、部長、役員と呼ばれた人たちの中で、私から見て尊敬に値した人は数人である。そんな人たちが取り仕切った会社は、創業65年の寿命を終え、消えた。その結末は、決して偶然ではない。

 

貴方の上司は「おはよう↴」派、それとも「おはようございます」派?

 それを観察して、自分の会社と上司の行く末を考えて、今から準備をしよう。上司を見極めないと、己も地獄への道ずれになる。過労死天国の電通の上司も、きっと「おはよう↴」派であったはず。(2017/6/24)

 

久志能幾研究所 小田泰仙  HP: https://yukioodaii.wixsite.com/mysite

著作権の関係で無断引用、無断転載を禁止します。

書の著作権は馬場恵峰師にあります。所有権は久志能幾研究所にあります。

Photo

Photo_2

コメント

コメントを投稿