死神が来るまでに、AEDよりも心臓マッサージを
先年12月、自治会長研修で、AED、心臓マッサージの簡易講習を受けた。この2月、防災士の講習を受講し、そこで正式にAED、心臓マッサージの講習を受けた。それで心臓マッサージの重要性を再認識した。AED、心臓マッサージのことは、知っていたが、具体的な知識はなく、重要だと思っていたにすぎなかった。今回、その知識、実技を学び、良い経験となった。
心臓マッサージの必要性
人が倒れ、心肺停止状態になったら、まず心臓マッサージを施し、血液を体(脳内)に回すことが最重要となる。そうしないと心臓が動き出し、体が復帰したとき、脳に重い障害が残る。何もしないと患者を死神に手渡すことになる。
心肺停止後、心臓マッサージの有無が社会復帰への過程に大きな差を生む。一般市民が心肺蘇生を実施しなかった場合に比べ、1ヵ月後生存者数で1.9倍、1ヵ月後社会復帰者数で2.7倍にのぼる。
今回、この事実は、AED、心臓マッサージの講習を受けて、一番感銘を受けた事実である。AEDはよく目にするが、危機意識が高いつもりの私でもこの事項は知らなかった。一般の人も多くは知らないだろう。
心臓マッサージ
心臓マッサージと言えば聞こえが良いが、実際は「胸骨圧迫」といい、心臓を外から強い力で圧迫してポンプの作用を機能させる。そのために胸部に圧迫を加えて5センチの上下運動をさせる。一分間に約110回のペースである。心臓に外からでもポンプの機能を持たせれば、血液を脳に運ぶことが出来る。血に酸素が含まれているので、それが脳に運ばれて、脳死を防ぐ。そうでないと、脳は直ぐ脳死となる。
AEDよりも心臓マッサージを
身近なところにAEDがあるのだが、それがすぐ利用可能かは、定かでない。
私の町内でも近くのクリニックにAEDあることは分かっているが、その時、クリニックが開いていない恐れがある。その時、どうしたらよいかはわからない。
またそこに行ってAEDを持ってくるだけで10分、20分は経ってしまう。それより救急車を呼んで、救急車が来るまで心臓マッサージをした方が現実的である。
過激な心臓マッサージ
心臓マッサージというと聞こえはよいが、実際は、「胸骨圧迫」で、乳首の間の位置を上下5センチ動くように「暴力的に」圧迫を繰り返す。大変な過激な重労働で、体力がいる。時として患者のろっ骨を折ってしまうこともあるようだ。折れた肋骨は治るから、まず命を救うため心臓マッサージが最優先である。
普通の体力の人なら、精々2,3分しか続けられない。だから交代しながら、心臓マッサージを施す。心臓マッサージをやっているうちに救急車の隊員が来てくれる。それまでひたすら心臓マッサージを続ける。
私も実習でやったが、体力的に精々2,3分しかできない。
できるならAEDも実施するが、その成功率は低いので、ひたすら心臓マッサージが良い。AED操作は救急車の隊員にまかせればよい。
自治会長研修での心臓マッサージの実演 2024年12月5日
防災士講座での心臓マッサージ実習 2025年2月2日
防災士講座 大垣市 情報工房で
2025-02-07 久志能幾研究所通信 2991号 小田泰仙
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