第4回みとりし講演会(1)、84にして83の非を知る
11月7日、第4回目の「みとりし講演会」を開催した。平日でもあったので、参加者は4名のみで少々寂しくはあった。しかしこの種の講演会が大入り満員はおかしいので、参加者が少人数でも、啓蒙活動を根気よく継続することが大切だと思い、開催を継続している。
84にして83の非を知る
講演会後の感想を述べる場で、84歳のご婦人が「私は73歳まで、この看取りの作法を知らなかった。この話は84歳で初めて聞いた。今まで、この作法で看取れなったのが残念に思う。だがこの講演で、今まで83年間を生きてきて、良い人生だったと思うことが出来た」と。
私だって、この看取りの作法は72歳で、初めて聞いた。多くの人は皆同じレベルだと思う。だから一人でも多くの人に、この件を知って欲しいと、この上映会・講演会を開催している。(春と秋に、年に4回開催予定)
11月7日、第4回目の「みとりし講演会」 木戸町多目的ホールで
場面は、乳がんで亡くなった妻を抱く夫の姿
.
看取りの作法
安らかに逝かせてあげる。抱きしめて感謝で見送ってあげる。
映画の中での実例では、乳がんで死亡宣告された妻を、夫は7時間も抱き続けた。夫は子供達に「お母さんに触ってごらん、まだ温かいよ」と。
枯れるように倒れれば、苦しまずに逝ける。
無為な延命処置をしない。延命処置は、本人を苦しめるだけ。
よく働いた一日は安らかな眠りを誘う
よく働いた一生は安らかな死を賜う (ゲーテ)
死後24時間はドライアイスを入れない
医師が死亡を宣告しても、生物的にまだ半分は生きている。
医師は法医学的に心肺停止と瞳の拡大だけで死を判定する。
死亡時刻を確定しないと、遺産相続等で争いとなるからだ。
死亡宣告後、24時間以内ならまだ体は温かいし、耳も聞こえている。
日本国内なら24時間以内に駆けつけて、看取りの作法が出来る。
小川みさ子さんの尊父は99歳で亡くなられた。
みさ子さんが正式の看取りをされ、死亡宣告後、9時間後に孫が親に連れられて来た。まだ体は温かかった。みさ子さんは孫に尊父の背中に手を入れさせ、その温かさを確認させて、最後のお別れをさせた。
国の寶
自分が生まれた10世代前に1024人の親がいる。13世代前なら4096人の親がいる。その一人でも欠ければ、自分はこの世に存在しない。
生きているだけで、自分の家系のかけ外のない存在である。
「毎日、真っ黒になって働き、時が来れば静かにこの世を去っていく。それこそが国の寶である。財宝や珍宝が国の寶ではない。
「国宝とは何か。道心(悟りを求める心)を持つ人を名付けて国宝という。ゆえに古来の哲人は「径1寸の珠10枚は国宝ではない。世の一隅を照らす人が国宝である」と言う。— 最澄、『天台法華宗年分学生式』
真っ黒になって働き、税金を納めて国を支える。それが日本人の勤勉な魂である。才能が無くても、業績もなくてもよい。生きて働いて、家族と国を支える。それだけで国の寶である。
2024-11-10 久志能幾研究所通信 2966号 小田泰仙
「久志能」↖ で検索
著作権の関係で、無断引用を禁止します。
コメント