人生づくりはトヨタ生産システムで
「トヨタのもの作り」の基本はトヨタ生産システムである。それは「もの(者・仕事・事象)作り」の基本である。その極意は人生でも同じである。人生づくりはもの作りと同じである。
豊田綱領
一、上下一致、至誠業務に服し、産業報国の実を挙ぐべし
一、研究と創造に心を致し、常に時流に先んずべし
一、華美を戒め、質実剛健たるべし
一、温情友愛の精神を発揮し、家庭的美風を作興すべし
一、神仏を尊崇し、報恩感謝の生活を為すべし
人生で大事なことは、信じるもの(宗教)をもつこと。動物と人間の違いは、宗教の有無である。宗教の漢字の意味は「家」の「教え」である。ご先祖の教えである。トヨタ家の家訓は、豊田綱領である。日本国家の家訓は、日本憲法である。会社というお家の家訓は、社是である。社是のない会社はろくでもない会社である。
いくら人事を尽くしても、それを超越した存在がある。それを人は神、佛、自然、運命、天ともいう。豊田綱領では神仏とご先祖を敬い、報恩感謝を忘れるなと言う。
整理整頓清潔清掃(5S)
5Sはトヨタ生産システムおける人生の極意である。
それを古来の日本では、仁義礼智信という。人脈の整理整頓(5S)をしよう。縁なき衆生は度し難し。悪縁を整理整頓しよう。腐れ縁が自分を不幸にする。
戦略を練る場所(家)を5Sしよう。戦術より戦略が大事。そのため5S。
人生計画を5Sしよう。自分に残された時間はそんなに多くない。人は生まれた時から死が約束されている。人生は3万日しかない。多くの人が残り時間を意識するのは、残りが5千日を切った頃だ。
72歳が男性の健康寿命で、その後の9年間は医者通いか寝たきりである。最悪は認知症である。
還暦を迎えると、筋肉量は、若い頃の半分である。一般的に30歳代くらいから少しずつ脳の萎縮が始まり、65歳くらいになると、CT画像で肉眼的に「明らかな萎縮がある」ことが分かるようになる。
人は生老病死である。
前工程は神様、後工程はお客様
モノ作りで、前工程で決まったことに後工程の自分は何も言えない。前工程の製品規格は、製品設計段階で決められている。自分の担当工程で文句は言えない。
人生のご縁は、人を育てる工程の前工程である。どんな環境でもご縁でも、自分の意志ではなんともならない。全て受け入れることから人生は始る。
人が生まれる確率は、1億円の宝くじが百万回連続で当たると同じ確率である。(村上和雄筑波大学名誉教授談)
そんな稀有の存在で、今の生まれた時代と場所は神仏が決めたと思うしかない。だから置かれた場所で花を咲かせるしかない。戦争中の日本、極貧の国に生れなかったことを喜ぼう。
先入れ先出し
先入れ先出しとは、先に仕入れた材料から順番に使う。それが品質管理の原則である。
年功序列とは、先入れ先出しである。人を育てるには、抜擢人事や飛び級はご法度である。人を育てるには、地道に多くの経験をさせて育成するしかない。
日々改善
どんな工程でも無駄を見つけて、一歩一歩改善していく。最初から完全なものはない。そういう鈍くさいことを繰り返して、トヨタはド田舎のトヨタから世界のトヨタになった。
人生でも同じで、日々、同じことを繰り返しである。その中で露見した自分の欠点、問題点を少しずつ治していくしかない。
ローマは一日にして成らず。大木も一日では大きくならない。
カンバン方式
時期が来たら、黙々とそのカンバンを処理する。
受験期が来たら、受験勉強をする。若い時に勉強しないと、頭が追い付かなくなる。
定年のカンバンが来たら、潔く退く。そうやって組織の若さが保たれる。
定年延長で会社にしがみ付くと、自分の元部下の上司から派遣社員扱いをされ、「生前火葬」の儀で、誇り高いプライドが燃やされる。定年後1年も経つと、精神はボロボロになり、5年間の定年延長を待たず辞めていく。
死のカンバンが来たら、黙って受け入れ、この世を去っていく。お釈迦さまでもそうされた。家族が世間体を気にして、延命措置で生にしがみ付くから、死にゆく人を拷問の苦しみに追いやる。
現地現物
どんな問題でも、自分の足で現地に行き、自分の目で状況を完全に把握する。これは人生のどんな状況でも同じ。それしか問題は解決しない。
問題が起これば、飛行機を使ってでも、飛んでいけ。
5回の何故
問題が起きて、対処療法で処置するから、問題が再発する。
何故、なぜを5回繰り返して、真因を見付け、対処すること。
私は自分のがんをそうやって治した。
一桁、ゼロを一つとる、10倍の大きさで考える
最初に小さく目標を立てると、大脳生理学的にそこまでしか人間の頭は努力しない。
棒ほど願って針ほど叶う、それが人生だ。
棒を願わねば、針ほども叶わない。
2024-08-03 久志能幾研究所通信 2895号 小田泰仙
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