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2024年8月16日 (金)

襲いくる 詐欺師ゾンビを 観聲す

 

 この8月14日、15日、詐欺師のゾンビ(かけ子)が、大阪警察本部の刑事を騙り、金融商品を騙し取ろうと国際電話経由で自宅に電話をかけてきた。

 

 会話の途中で相手の連絡先を念のため聞いたら、06-6943-1234とのこと。後で、その番号をネットで確認したら、大阪府警察本部の電話番号で、新規警察官採用の問い合わせ窓口であった。今回の刑事を騙った部署とは関係がない。ヤフーの相談コーナで、同種の話が記載されており、その電話番号が上記であった。

 (後で調べてみたら、表示電話番号を変えることができるアプリがあるという。完全な詐欺用のアプリである。)

 話しの途中で固定電話の子機の電池が無くなったので、相手に携帯に電話を掛け直してもらった。かかってきた電話番号は+8080-669-43-1234」であった。後で調べたら「8080」はウェーク島の国際電話の国番号である。なんじゃ、これは?

  馬鹿正直に電話を折り返せば、高額の国際電話料金が請求される。

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  私のスマホの履歴

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ドラマもどき

 今回の詐欺電話は、手が込んでおり、まるでエンタメのドラマ仕掛けである。オレオレ詐欺の幼稚なレベルではない。登場人物も、大阪ドコモショップの店員、大阪府警察本部刑事、大阪府検察庁の検事(女性)と随時入れ替わり、登場する。3名の見事な連携演技で、芝居がかっていた。あまりに真実味があり、ちょっとの間、私は信じさせられてしまった。自分の油断より、相手の熱演を褒めてあげたい。

 現代の詐欺には、シナリオライターの才能も必用である。その詐欺集団には専門のシナリオライターがいて、詐欺集団の親分が配役を決めているようだ。

  そのシナリオも人間心理学に基づいている。一度相手を不安に陥れて、それから、それを安心させる話で油断させ、それから、更に罠をしかけるという凝った筋書きである。素人では書けないシナリオである。脱帽、脱毛である。

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詐欺の経緯

 最初の電話が、代金未納、携帯電話を止めるとの話で、少し焦ったせいもあり、刑事役を扮する詐欺師の言葉を信じてしまい、結果として個人情報と資産情報をかなり抜かれた。さすが暗証番号まではつたえないので、実害はなかった。

 冷静に考えれば、携帯を止めるとか、電気を止めるとかは、事前に文書で通達される。電話での通告はあり得ない。初めてのことで焦った。それが詐欺師の付け目だろう。

 相手(刑事役)の話に真実味があった。

 「貴方の免許証が偽造され、誰かがそれを使って大阪の支店でソフトバンクの携帯の契約をした。

 みずほ銀行で4100万円のマネーロンダリング事件が起き、その犯人が供述した協力者名簿100名の一人に、貴方の名前が挙がっている。貴方が銀行口座の名義貸しで10万円を、成功報酬で400万円をもらったとの供述があった。私(刑事)は、貴方の今までの話を聞いて、無実と信じる。それで貴方の潔白を証明したいので捜査に協力して欲しい。現在、極秘調査中で、他言は無用。大阪府警察本部しか知らない事件なので、地方の警察署も知らない」である。なかなかに手が込んだストーリである。

 

 残念ながら、シナリオは良かったが、実行犯がIT知識、金融知識、株取引知識に疎く、ボロが出て失敗したのが今回の詐欺の顛末である。そのシナリオにも杜撰な項目が多くあり、シナリオライターも発想は良いが、実務はあまり知らないようだ。

 

 途中で話に違和感を覚え、詐欺師の臭気を感じ、疑問をもちながら対処した。IT関係で頓珍漢な要求をするので、詐欺師と確信した。刑事役の話しの展開が論理的に破綻しているので、こいつはアホだと確信して、懇々とお説教もしてあげた(笑)。そして結果として実害もなくてホットしている。

 

事後対処

 今後の同じような被害に遭われる人を少なくするため、翌日(8月14日)、大垣警察署に出向き、刑事2課の刑事さんに相談した。しかし、今回実害がないので、被害届も受理してもらえず、参考情報として扱われた。事例として広報には使うとのこと。再発防止のため、罠を仕掛けて逮捕してはと提案したが、警察から止められた。残念?

 素人は商品(?)に手を出してはいけません。

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観聲学(観声学)

 電話の聲から観相すると、とても警察官の匂いがしない。規律なく育ったニートの臭気が感じられる。その気になってその聲を聞けば、違和感を覚える話しぶりである。

 IT関係の詐欺なのに、IT知識、株式知識、金融知識が間違いだらけ。法律知識、犯罪調査知識の基本が全くない。私がIT専門家なのが、相手には不幸であった。

 

人材不足

 詐欺の業界も人材不足を感じた。詐欺集団の親方も、人材確保が大変だ?と同情した。この種のかけ子を逮捕しても、大本営のボスは捕まらない。

 詐欺をして相手からカネを奪うなら、相手よりも優秀で、その面の情報を持っていないと相手を騙せない。今回はそれが出来ないレベルの詐欺師であった。聞けば36歳と言っていたので、それは嘘ではないだろう。年相応の幼いレベルであった。それでは経験豊富であるカモは騙せない。

 

地獄の奴隷生活

 かけ子は、この世界に一度でも手を染めたら、詐欺集団から抜けられなくなる。詐欺本部は前科でかけ子を脅迫する。詐欺集団は、預かったかけ子の免許証から、実家のあり場所を知り、それで脅迫する。彼はこれから地獄の奴隷生活をさせられる。

 それを思うと、早く逮捕されたほうがよい。罪が重くなるまでに逮捕された方が幸せである。そうしないとその集団から抜け出せない。軽微な罪の内に捕まえるのが、人助けである。だから小さな犯罪を見逃がしてはならない。

 

2024-08-15  久志能幾研究所通信 2907号  小田泰仙

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