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2023年11月21日 (火)

巡礼 陶と日本画展 髙山大 福田公美 in Sagan

 

 2023年11月3日~11月23日(21日は臨時休廊)、岐阜川原町のgallery Sagan で上記展示会が開催されている。

 

 髙山大さんは陶芸家であり、僧侶である。僧侶の眼で、仏法を陶器のオブジェの形にした芸術作品である。具現化とは、オブジェ「鳴舞耳得」である。

 

鳴舞耳得

 全てのモノには命があり、精霊が籠っている。モノは何かを伝えるため、鳴き、舞っている。だからモノは「耳」で見なければ、真の姿は見えない。見えれば得をする。その得を受けるには、人として感性が高くなければならない。その感性が高い人が、精神性が高い人である。

 「耳」とは「目」の文字の四方八方に角が伸びた形である。つまり全身を使って「観る」である。

 「得」とは佛語で、体験から得る利益・功徳のことである。仏教用語の「利益(りやく)」とは、「ためになること、益を受けること、功徳、利徳」をいう。 特に「仏の力によって授かる恵み」を意味する。

 

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 黒陶の焼成(籾殻燻炭)方法

 籾殻燻炭とは、 燻炭器を使用し、籾殻の山の中に作品を埋めて焼成(推定500度)する。約6時間後に窯出し、籾殻が焼けた煤が作品に吸着し、作品は炭化「黒陶」となる。

 1回焼成では大きな作品は黒くならないので、2回、3回と籾殻燻炭を繰り返す。焼成が6時間を超えると、籾殻炭は灰になり、吸着した煤が焼け飛び、作品は素地色に戻る。作品の一部分褐色は、籾殻の量が少なく炭化せず、黒陶にならなかった素地色の箇所である

 

 黒陶の作品の黒色は、陶芸技法の「黒陶」である。黒漆を塗ってはいない。漆は、あくまでも補強と防水のためのコーティングで、素地の黒陶が現れるように透き漆で拭き漆をしている。色付きの漆で着色する事は、陶芸家としての範疇を超えてしまうと髙山大さんは思っているので、黒漆や赤漆は使っていない。また、漆の定着方法も漆室を使わず、焼く事に拘り、電気窯で焼き付けをしている。

 

 

仏壇のリフォーム

 何か感じるものがあり、髙山大さん製作の黒陶の盃と蓮の形の皿を入手した。

 先日、祖母の50回忌を執り行った。そのご縁で、今回の髙山大さんの陶展に巡り合ったと感じた。それで30年経った仏壇の備品のリフォームとして、今までの市販の陶器の白い盃とプラスチックの茶菓用皿を髙山大さんの陶の盃と蓮の形の陶の皿に更新した。よき供養だと思う。

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2023-11-21  久志能幾研究所通信 2774号  小田泰仙

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