巡礼 「八幡はるみ展」、創造芸術に感銘を受ける
知人に誘われてヤマザキマザック美術館で開催されている「八幡はるみ GARDEN展」に行ってきた。誘われなければ、絶対にご縁のなかった作家である。ご縁に感謝である。
「八幡はるみ GARDEN展」
会期 2023年04月21日(金)から2023年08月27日(日)
場所 ヤマザキマザック美術館
美術館で確認すると、特別展の展示品は撮影可とのことで写真撮影をさせてもらった。聞いてみるものだ。欧米の美術館では撮影は、フラッシュをたかなければ可能なので、日本の美術館でもそうして欲しい。
八幡はるみ氏の作品
芸術とは独創性の世界である。天上天下唯我独尊の世界である。自然界の材料やデジタル作品をそのまま持ってきても芸術とは言えない。その作品に作者の独創性をどれだけ盛り込めるかである。
この芸術品は、工業製品と芸術の融合である。八幡はるみ氏の作品は、染物、織物、刺繍、デジタル材料と言う工業製品、工芸製品を統合して、芸術の域に創造した芸術作品である。
大画面で表現された美しく咲き誇る花々、まばゆい光につつまれた溢れんばかりの緑の花の洪水。色あざやかな植物が大画面を埋め尽くす、八幡はるみのかぐわしき染色の世界が展開する。私には新しい世界であった。今までは絵画と言うとキャンパスに油絵具でかかれるとの固定観念を抱いていた。しかし八幡はるみ氏の作品を見て、創造性という観念に感心した。この展示会で学んだことは、創造性には使えるものは全て使え、である。
しかし欲しいなとは思ったが、盗んできて家に飾るにはしては、作品が大きすぎる。この大きさでは自宅に飾れない(笑)。また家にある他の作品に比べて、和室の居間には異色過ぎるので、雰囲気が合わないようだ。それで幸い捕まるような行動には出なかった?
創造
創造とは新しい価値観の生み出しである。発明は全く新しいものの生み出しだが、創造は今まであるものを分解、再結合をして、新しい価値を創り出すことだ。発明は天才にだけ可能だが、創造は我々凡人でも出来る。
「創」と言う漢字は、「キズ」と「リ」から構成される。「リ」は刀と砥石の象形文字である。「キズ」の傷とは刀傷のことである。刀で傷を受けると血が噴き出し、それに焼酎を吹き付け、なにくそとがんばるのだ。それで傷口から新しい細胞が生れ、傷口を埋めていく。新しいものを創り出すには血まみれの体験が必要だ。それが創造である。
創造とは、今あるものを分解、再結合して新しいものを生み出すことだ。ゼロから生み出す発明ではないのだ。ソニーのソニーのウォークマンだって、新技術はない。従来の技術を再統合しただけである。それが創造である。
2023-06-03 久志能幾研究所通信 2697号 小田泰仙
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