見学記 虎渓山永保寺
2023年3月22日、多治見市の柴田節郎工房へ行く途中、山路徹先生の案内で虎渓山永保寺に寄り、境内を見学をした。大垣からこんな近い場所に国宝の禅寺があるとは知らなかった。見学して目の保養をさせてもらった。静かな境内を散策するだけで、心が洗われる。京都の禅寺より立派である。俗世間のお寺と違い、観光客も皆無に近い状態で、静かな佇まいである。
この禅寺は鎌倉時代の1313年(正和2年)、土岐氏の招きを受けた夢窓疎石が長瀬山の幽境に庵居し開創された。
観音堂前の庭園は、臥竜池と称する池に反り橋の無際橋が架かり、浄土教的庭園の様式を感じさせる名庭である。この庭園は、国の名勝に指定されている。この禅寺は建築・庭園・墨跡など禅の美術で注目されている。
国宝 観音堂
この本殿は下記の理由で国宝に指定された。
- この建物が、鎌倉末期の唐様建築のすぐれた代表的遺作
- 唐様建築の手法に、平安朝からひき続いた和様建築の手法を折衷させた建築
- 建築の主要部に比較的改修後補が少なく、当時の面影を完全に保っている
桧皮茸の伸び伸びした軒ぞりを持った豊かな屋根、上屋と裳階の巧みな均斉に、どっしりとした安定感を与える荘重な姿は、代表的な禅宗特有の建築スタイルである。すなわち、
- 軒に垂木を用いず四隅に隅木が見えるだけで板張
- 枓栱が詰組でなく亜麻組
- 円柱の上部には粽をつけ台輪をおくが、下部には粽も礎盤もない
- 床は坐式礼拝ができる拭板敷、裳階前面一間通りは吹き放し
正面観音開きの桟唐戸には上半に精巧な美しい花狭間の組子がはめこまれている。須弥壇の上の岩窟式厨子には、聖観世音菩薩の坐像が本尊として納められている。
(虎渓山 永保寺について|虎渓山永保寺(公式サイト)より引用編集)
虎渓山 永保寺について|虎渓山永保寺(公式サイト) (kokeizan.or.jp)
https://kokeizan.or.jp/pages/19/
この禅寺で目についたのが、焼き物の灯篭である。流石、多治見市は陶磁器の里である。灯篭まで焼き物である。
永保寺のイチョウ
2023-04-01 久志能幾研究所通信 2658 小田泰仙
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