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2022年9月14日 (水)

「統一教会」入会案内書を分析 どんなに暑くても、やっぱり秋(餓鬼)は来る

 

 2019年6月19日、突然遠い縁戚の人が訪問してきた。彼とは初対面である。彼は、私が作った家系図を親戚の家で見て興味をもって訪問したという。色々と家系図と私の建てたお墓の件の話で盛り上がった。

 彼が帰り際、「統一教会」の勧誘パンフレットを渡してきた。当時、統一教会のことは薄々知っていたので、私はそれを見て幻滅した。彼の訪問の真の目的が露見した。彼は私の宗教観を聞き、自宅にある松本明慶大仏師の仏像を見て、勧誘は無理と判断したようだ。だから彼は「統一教会」の勧誘パンフレットだけを置いて帰っていった。

 彼は新信者獲得の為、ノルマに飢えた餓鬼のように、我が家にやってきたのだ。どんな新興宗教でも、新しい信者を獲得するノルマを信者に課す。定期的な会合で、その成果を問われ、成績が悪いとつるし上げをされるのが常識だ。

 しかし正統派の宗教(仏教、キリスト教等)では、勧誘は教義で禁止されている。自分から入信するのは構わないが、勧誘はご法度である。勧誘を強要するような宗教団体は、狂気集団である。だから安倍さんが殺される事態となった。

 

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  森龍己氏画 (9月14日に偶然頂いた残暑見舞いハガキより)

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安倍元首相暗殺事件

 2022年7月8日に起きた安倍元首相暗殺事件の後、私はそのパンフレットを思い出して探したが、どこかに紛れ込んでしまい、探せなかった。たまたま、今日(9月14日)、そのパンフレットが出てきて、改めてそのパンフレットの分析を行った。

 

 その冊子はB5版で全24頁である。その内容は下記である。

 P1 表紙

 P2 「祝福結婚」は何がちがうのか?

 P3  祝福結婚」はなぜ貴い?

 P4  祝福結婚式とは

 P5  祝福結婚の目的とは

 P6  家庭は愛の学校

 P8  真の家庭づくり運動とは

 P9  家庭連合のコミュニティ活動

 P10  「死」は新たな人生の始まり

 P11  永遠の人生への三段階

 P12  聖和式とは

 P13  HJ天宙天寶修錬苑

 P14  世界に広がる平和活動

 P15  為に生きる真の愛で世界が一つに

 P16  ボランティア 芸術と文化

 P18  文鮮明師・韓鶴子総裁の歩み

 P19  家庭連合の教義

 P20  統一原理に学ぶ

 P22  図書紹介

 P23  さらに深く知りたい方のために

 P24  裏表紙

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 統一教会のパンフレットの表紙
 

 この内容を分析して、下記の違和感を覚えた。

 

疑惑1

 テクニカルライティング的に、文書は最初に一番大事なことを述べるのが原則である。だから合同結婚式がこの教団で一番大事だと判断しているようだ。しかし宗教とは、もともと「その家の(生き方の)教え」である。その件は全く触れず、ひたすら合同結婚式を大賞賛する話である。

 

 その祝福結婚式も、教団が決めた相手と結婚するしかなく拒否が出来ないが、それには全く触れられていない。結婚は神様がのぞむことして、聖書の言葉を、神様が言ったこととして教団に都合の良いように引用している。神様にくちなしである。

 結婚は両性の合意で決まる。しかし統一教会では、教会が指定した相手と強制的に結婚せねばならぬ。日本の憲法違反である。

 貧しい韓国人が日本女性と結婚して、日本の永住権を得るのが大目的であるのは、隠された大秘密である。この教団では離婚は認められていない。

 

P2scan0197   P2 「祝福結婚」は何がちがうのか?

P3scan0198

    P3 祝福結婚」はなぜ貴い?

P4scan0199

   P4

P5scan0200

    P5

疑惑2

 そもそも、人が宗教に求めるのは、生き方である。人は何のために生れてきて、何のために死んで、何処へ行くかを悩んで、宗教の門を叩く。しかしそれが全く触れられていない。

 宗教とは、もともと家族の一員が社会の中で生きていくために定めた教えである。人間として、当たり前の行動を戒律として定めた教えである。野獣として生きている人間には、宗教は必要ない。ましてや強制的国際結婚などは異常である。それに気が付かなければ、狂っている。

 

疑惑3

 安倍元首相を暗殺した山上容疑者の母は、教団側から、「“先祖の供養のため”、献金しないと地獄に落ちる」などと言われて、1億円を寄付したという。そういう寄付の話は、このパンフレットには全くない。

 有るのはp16に、ボランティア活動で2千3百万円の義援金を出したとの宣伝(2019年現在)である。しかし、この教団では信者から日本統一教会本部へ納められる感謝献金・特別献金が、2011年度だけでも約500億円を集めている。それなのに、雀の涙金の義援金を大々的に宣伝している(p16)。この教団は今までに総額1兆円近いカネを信徒から貢がせて、韓国に送金したと噂される。日本の信者は大事な金づるなのだ。

 

疑惑4

 P18に文鮮明師・韓鶴子総裁の顔写真が大きく乗せられているが、どう見ても高尚な宗教家、高い道徳のある人物とは言えない。人相学を少し学べば誰でも分かることだ。普通の常識ある人ならこの人について行こうとは思わないだろう。それを平然と勧誘小冊子に掲載する神経が分からない。

 以下の青字部、ウィキペディア「文鮮明」より抜粋

概略

 文鮮明は、世界中にいる統一教会の信者にとっては、地上に再来したメシア、第三のアダム、再臨の主であり、彼と妻の韓鶴子は真の父母であると考えられている。しかし一方では第一級の宗教的詐欺師であり、陰謀によって会員や元会員、その家族たちの人生を台無しにしてきた悪徳商人であると捉えている人々もいる。一部のマスメディアは、「有名な韓国人伝道師」「問題の宗教的指導者」「何万もの求道者を洗脳したカルトの人形使い」など、彼を多様に描写している。その評価は極端に分かれるが、宗教学者のダグラス・E・コーワン英語版、宗教社会学者のデイヴィッド・G・ブロムリー英語版 は、「どのように描写されているかは別として、20世紀後半の最も目立った新宗教の指導者の1人である」と評している

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疑惑5

 P19に天地創造、天国と地獄、アダムの誘惑と楽園からの追放、キリストの復活等が絵で示されているが、前半までの説明文と違和感と矛盾がある。キリストが無差別に合同国際結婚を勧めたなど、聞いたことがない。

 うちのお寺さんが信徒獲得で走り舞ったなど聞いたことがない。

 キリスト教も仏教も勧誘入団活動を禁止している。キリスト教で勧誘行動をしているのはモルモン教だけである。

 

疑惑6

 P20に統一原理を学ぶ教本が紹介されているが、これが3千万円のカネを教団に貢がないと入手できないとは、誰も知らない。しかし入団すれば、信徒はこの教本を買わされるのだ。一家に一冊ではなく、信徒一人に一冊だから、4人家族なら1億2千万円が必要だ。

 教団に入会すると、信者の義務として収入の10分の一を寄進する生活を送る。

 それはあくまで建前で、お金は全て神様のものが原則である。

 全てのお金を神様に捧げるのが信者の務め。

 信者は一冊3000万円の聖書を、一人一冊で購入する。3人家族なら3冊必要で合計9千万円、ローンの支払いである。 

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 日テレNEWS 「教団の主張に反論」 YouTube

        渡辺博弁護士が証言  2022年7月12日

 過去最高の寄進額は54億円。その家は破産したそうだ。

  その教団の寄進総額は1兆円を超える。

  ある普通の元信者は6年間に500万円を貢いだと証言している。 

 お守りの印鑑は40万円で買わされたとか。

 2000万円、3000万円を寄進した信者などゴロゴロいるという。

 そのカネは家屋敷を担保にし、家族に無断で土地を売って作った金である。

 それは安倍元首相が制定した霊感商法の禁則手である。だから統一教会は、安倍元首相を天敵として見ていた。

 

疑惑6

 この冊子の作成責任者、発行元、住所、発行日時は全く記載がない。これでは信用など全くできない。

 

 

以下、ウィキペディア「世界平和統一家庭連合」より抜粋

 1960年代後半から、学生を狙った反社会的な「原理運動」による家庭崩壊、学業放棄が社会問題となり、霊感商法が社会問題になった1980年代以降、朝日新聞社や『週刊文春』によって大々的な批判キャンペーンが展開されたが、教団側は激しく反発し、信者によるデモなどが行われた。1984年には、世界日報編集長の副島嘉和が教団の反日思想等の実態について、内部告発を行った後に、襲撃を受ける事件が発生。その他にも、教団を批判した人物・マスメディアへの嫌がらせや、教団に関連した不可解な事件が多数発生している。

 「コリアゲート」疑惑の調査を行ったフレイザー委員会の最終報告書によれば、教団は1961年に当時のKCIA長官・金鍾泌によって再編され、韓国の政治的目的を達成するために政治工作を行っていたことが明らかになっている。

 文鮮明は自由民主党安倍晋三元総理大臣の祖父である岸信介と盟友であり、1950年代から日本の政界と協力していた。岸の自宅付近には統一教会の施設が存在し、そこで岸は交流会や講演会などを行っていた。岸内閣時代の首相公邸は統一教会本部として使用された。同教団は現在に至るまで、国際勝共連合等の関連団体あるいはダミー団体を通じて、自由民主党等の保守政治家と密接な関係を保ち続けている。政治家との密接な関係は、教団の宣伝・広報に利用されており、統一協会系月刊誌『世界思想』では、「戦後憲法の終焉」「今こそ日本を取り戻そう」等のフレーズが使われ、安倍晋三元総理大臣の写真が過去複数回にわたり表紙に使われていた。これは後述する「霊感商法」の被害拡大につながると懸念されている。

 

 

2022-09-14  久志能幾研究所通信 2490  小田泰仙

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