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2022年5月12日 (木)

お釈迦様を金儲けの釣り餌に。罰当たり

 

 新聞のテレビ欄の隅にお釈迦様の彫刻像の宣伝が出ていた。黄楊で全長27センチの立派な仏像だ。お顔も相応な荘厳さで彫られている。その値段を見て驚嘆した。3万円である。このレベルなら、今までの通販実績では20万円から30万円で売られている。それが3万円で驚嘆である。

 もしこの大きさで、黄楊で、松本明慶師の作品なら、300万円でも買えない。機械で自動彫しているから安いが、それでも安過ぎである。

 

 知人の専門業者に聞くと、それは客引きのおとり商品で、それにつられて買った客が、カモとして登録されて、後日、どんどん金を巻き上げられる仕掛けだという。この種のこんな仏像に3万円しか出さない思考回路を持つ人は、C国経由で金儲けをしている業者には涎の出る獲物である。だって見る目がないのだ。こんなものに手を出す人は、印刷物と本物の差が分からないのだ。簡単に騙せる。

 業者は、まさにお釈迦様を金儲けの釣り餌として扱っている。仏像造りに命をかける仏師への冒涜である。そんな業者が跋扈している現代である。世も末になったものだ。そんな業者に騙されないように注意を喚起したい。

 

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 中日新聞 2022年4月19日

 

2022-05-11  久志能幾研究所通信 2382号  小田泰仙

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