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2022年4月22日 (金)

「宇宙根源能理経」に学ぶ(2) 積み重ね

 

7 ものごとは微細な積み重ねである。

  千里の道も一歩から。 

 

 花も一夜には咲かない。どんなことも毎日毎日の血の滲む鍛錬をして達成できる。「鍛」とは千日、「錬」とは万日の修行を言う。千日とは約3年間、万日とは約30年間の事だ。それだけの修行をして初めて達成できる。どんな長い冬も何時かは春が来る。

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馬場恵峰書

 

ゲタ履き人生

 人生を生きるには、多大な苦労がいるの。それなのに闇所からゲタを履かせてもらい、その修行をショートカットするから、KK息子は実力が付かず、弁護士試験に受からない。過保護ほど人を堕落させるものはない。特別扱いは、その人を最終的に不幸にする。

 KK息子は実力がないようだが、一般的なエリートは学力があるが、サイコパス気味の人が多いようだ。サイコパスとは、共感性の欠如で、回りの人の悲しみを理解できない人のこと。エリートは自分がゲタを履かされて有頂天になり、回りの人の悲しみに共感できる感性が消滅していくようだ。

 

 私は何度も受験に失敗して、涙にくれた。おかげでそのサイコパスとは逆の感性が豊かになった。それで生きていく力を付けた。それがあったから、なにクソの精神で、皆が遊んでいる私学の大学時代に猛勉強をして特待生を獲得し、卒業時は総代で卒業証書を受け取った。その後も、有名校派閥のある企業で苦労はしたが、相応の評価を獲得はした。

 

天之機緘不測

 「天之機緘不測」(菜根譚)、天が人間に与える運命のからくりは、人知では到底はかり知ることはできまい。天は因果応報を運行している。

 

 当時はこの言葉を知らなかった。これは馬場恵峰先生の卒寿記念で写経写真集を出版した時、知った言葉である。宮仕えの当時、私は会社の派閥大学出の若手を依怙贔屓する上司から冷遇されていた。私が海外見本市視察に行ける年に他部署に飛ばされた。ところがその上司役員が邪魔した海外見本市視察、海外大学との交流出張に、運命のからくりで参加することが出来た。

 

 当時の上司役員は私を海外出張に行かせる気が全くなかった。その年、私の直属上司が海外大学との交流出張にいく予定であった。しかし上司は直前に糖尿病を発症して海外出張ができなくなり、私が行くしかない状況となった。

 

 海外の見本市視察も、上司の役員が強引に若手エリートを抜擢し、私の出番は無くなった。ところが後日、私が社内懸賞論文で最優秀を取ったので、私もその海外の見本市視察に行けることになった。まさに「天之機緘不測」であった。地道な努力をするものだと納得した。

 

末路

 その上司役員が目をかけた若手エリートは後日、会社に後ろ足で泥を掛けるように辞めてしまった。彼に同大学での役員がゲタを履かせまくった様は、まるでKK息子の様を見るようであった。ゲタを履かせても、サイコパスの気があると使い物にならない実例を見た。学校の成績と会社の仕事は別なのだ。

 ゲタの厚みには、血と涙の積層である。それを簡単にショートカットしても、後から落とし前を払うのだ。

 

 

洗脳教育

 それより大きな被害は、この会社の役員たちは、有名大学出が人格とも、経営的にも優秀だと思い込んでいることだ。それは洗脳と同じである。エリートはそれを自負して、回りの状況が激変しているのに的確な経営判断ができず、会社を危機に陥れ、吸収合併の憂き目に合わせた。

 ソニーも役員に東大出が多くなってきて、精神的に病む社員が増えたと社員が証言している(週刊誌記事)。それと共にソニーはその輝きを失っていった。

 

 国も企業も、一将によって興り、一将により滅ぶ。それを目のあたりにした。今、私は天之機緘不測の意味も噛みしめている。

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 馬場恵峰書

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2022-04-22 久志能幾研究所通信 2367号  小田泰仙

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