智慧を使って青春を謳歌
人生の品質向上のために必要なのは、智慧である。智慧を出さないから、ドジな人生を送るのだ。知恵でスマートな人生を謳歌するべきだ。人生では、最低一人を幸せにする義務がある。その一人とは自分である。
そのためには、物事の切り替えを早くすることだ。それが人生の智慧である。いつまでも過去に囚われ、愚痴っていても人生は拓かない。それは智慧がない。愚痴とは、愚かにも「知」が病気になった状態である。
そのために無理な考えを持たない事。心豊かな人は無理をしない。無理とは宇宙根源の「理」に反すること。成功者は無理をしなくても幸せになれる。人として、やるべきことをきちんとこなしていれば、愚痴になることは起こらない。当たり前を当たり前にこなす。それが人生の智慧である。やるべきことをショートカットするから問題が起こる。
ジックリと余裕をもってモノを見ていく心が、「情」けである。心が若ければ、人は青年のように青いのだ。「情」とは、心と青で構成される。青年のような熱い情熱が無くなるから、心の熱さも消える。情熱を失わなければ、何時までも青年で、青春である。心の持ち方が青年か老年かをきめる。
人生は、赤(赤ん坊)→青(青年)→紅(壮年)→白(老年)→黒(死)と色で表現される。
煩悩と経典
心の老化を促進させるのが、108個の煩悩である。多くの煩悩を断ち切るためには宝刀が必要だ。宝刀で煩悩を断ち切れば、人間の心が豊かになる。今、悩んでいる悩みなどは、実体のない妄想である。色即是空である。その煩悩を断ち切る宝刀を右手に持ち、その知恵の集約した巻物を左手に持って、文殊菩薩は我々を見守っている。
巻物には経典やお経が書かれている。今風に言えば、万巻の内容を集約した電子辞書である。しかし、この巻物には今風の電子辞書には書かれていない人生哲学が書かれている。
経典とは、
釈迦が人生の中で実践し考え抜いた末の認識を弟子たちが書物にまとめたのがお経、仏典です。その中でも法華経には実に多くの学ぶべき知恵が詰まっていると感じ、私自身の行動や思考の指針としています。
哲学とは存在と時間を考える学問です。そうした本来の意味の哲学を説いた宗教があるかというと、仏教以外にはないだろうと思います。
たとえばキリスト教は、つまりはイエス・キリストの一代記です。人間の愛について、虐げられたユダヤの民への共感をベースに説いている教えですが、そこに哲学はありません。あとからギリシャ哲学を援用してきて、神学というものが出来上がったにすぎません。
これに対して仏教は、たとえば時間の推移が存在の形を変えていくという認識を世界で初めて説きました。それを端的に表した言葉が「色即是空 空即是色」です。
石原慎太郎著『老いてこそ生き甲斐』幻冬舎文庫
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2022-02-19 久志能幾研究所通信 2309号 小田泰仙
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