国の宝、清富の世界
国の宝
成長しなくても、長い間、世間に貢献することも、大きな価値である。泥まみれ真っ黒になって、社会の一隅で灯をともし、お役目が終われば、静かに去っていく。それこそが利他の生きかたである。それこそ国の宝である。
健康を害して、社会のお世話になって生きるよりはるかに価値がある。認知症になって、恥をまき散らして生きるのは、国の負債である。
餓鬼の世界
規模を追うから、図体ばかり大きくなり、精神は貧しくなる。餓鬼のように規模を追えば、グローバル経済主義となり、結果はジャパンファースト、自分ファーストになってしまう。それは利己主義の世界である。それで引き起こされたのが、格差の拡大、貧困層の拡大、非正規社員の増加、外人労働者の増加、である。
成長(出世)ばかり追うから、人間性が劣化する。それは餓鬼の人生。どんな栄華を極めても、死の前には無力である。
最高の人生
中国の運命学では、平穏無事な人生こそ、最高の人生である。波乱万丈の人生は最悪の人生である。平穏無事に、清らかにそこそこに豊かになる。それが人間の幸せである。
天中殺
1979年ごろ、天中殺が流行った時のこと。私は、半年待ちの予約、30分2万円の鑑定を受けるため、東京まで出向いた。当時、私は迷える羊であった。今になって振り返ると、悩んでいた自分が恥ずかしい。あの騒ぎは何だったんだと。
究極の問題点は、占いに影響されて将来を不安に思った弱い自分であった。現実を直視せず、上と将来を見るから不安になるのだ。
平穏無事に、今を全力で生きれば、それこそが最高の人生なのだ。欲を出すから、不安になる。まだ来ぬ未来を見るから不安になる。未来なぞ誰にも分らない。自分が現実に向き合わず、全力を出していなかっただけだ。
例えば、今回のコロナ騒動を誰が予想したか。数年前に週刊誌が発行した「2021年予想(占い?)特集号」でそれを予想した雑誌は皆無である。
不安定
上がった評価、地位も何時かは落ちる。背伸びをして、不安定な位置に昇るから、不安定になり、不安で不幸になる。宇宙根源の理は、プラスマイナスゼロである。今のグローバル経済主義者の勝者は、餓鬼のように限りなく求めすぎて、その欲望の位置が、宇宙根源の理とかけ離れていることに気が付かない。
最高の占い師・松下幸之助翁
松下幸之助は「雨が降ったら傘をさせ」と言った。雨とは不況の時、人なら不運な時のことである。一生の間、企業でも人でも晴れの日だけなどない。雨の日もあるのが人生だ。雨に日に、工夫をするから智慧が付いて成長できる。それが傘である。生物は、逆境の時、成長する。
だから松下幸之助翁は、「不況克服の知恵10条」で第一条「不況またよし」と言ったのだ。
他山の石
隣国の総帥のように人生で猪突猛進をして、挙句に果てに、数兆円の財産が出来た時、心筋梗塞で倒れ、6年間も植物人間で生き永らえる羽目になった。それが成果主義者の「上り」なのか。残った長男長女が財産争いの裁判沙汰では、哀しすぎる。隣国の総帥に、グローバル経済主義者の冥途をみた。
私は清富を目指したい。真面目に精進すれば、そこそこに豊かになれる。
2021-12-04 久志能幾研究所通信 2228号 小田泰仙
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