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2021年12月31日 (金)

震度7の直下型地震が都市を襲う。被害予想と対策

 

 養老―桑名―四日市断層帯が、大垣市の近辺に存在する。この断層が動けば、震度7の激震で大垣を襲う。

 今後30年間で、この地震の発生確率は0~0.7%である。これは地震調査研究推進本部が2021年1月に公表した予想値である。

 確率が低いからと言って、今後30年間中に絶対に地震が来ないという保証はない。南海トラフ巨大地震は過去3回の室津港の深水深さの変動データがあったから、その時期を統計的に予想されているが、養老断層の動く時期の予想は難しそうだ。だから、今後100年を考えて家を新築するなら、震度7に耐える家を建てるべきだ。

 日本列島には、周辺の海底も含めて多くの活断層が刻み込まれており、日本全国では約2,000も断層がある。いつ何時、震度7の直下型地震が住んでいる街を襲うかもしれない。

 皆さんの住む市が作成した『防災ハンドブック』には、近くの直下型地震の原因となる断層の地図が掲載されているから、それを確認をしてください。

 2016年の熊本地震でも、住民の3割しか、近くの地下断層の存在を知らなかった。残りの7割の人は、直下型地震がくるはずがないと思い込んでいた。

 

濃尾地震

 130年前の1891年(明治24年)に、濃尾地震が発生した。マグニチュード8の世界でも最大級の内陸型直下型地震が大垣を襲った。我々の曾祖父の時代である。それの被害を直接伝え聞いた80歳の人もまだ存命である。

 

予想被害

 もしこの規模の地震が大垣を襲えば、下記の被害が予想される。

 最大震度 7

 建物全壊数 24,000戸 (市内全家屋の半数が全壊)

 死傷者数  13,000人  大垣市民の10%が死亡

 

100年住宅を

 今までの家は寿命30年で設計・建設されている。今後建てる家は、震度7に耐える家で、家の寿命が100年の、孫の代にまで残せる財産となる家を建てるべきである。家が100年間使えれば、親子孫三代の総合の住宅費が安くなる。

 欧州の家は、100年も200年も経った家が多い。地震が少ないという事情もあるが、家は消耗品でなく、代々使うという思想である。家はインフラとして国の宝である。その宝の耐震強度を上げて、国力を上げるべきだ。

 

 私の家は、両親が1970年に建てた。日本家屋の軸組み構造である。それを2011年から7年かけてリフォーム工事で耐震工事をした。現在築50年であるが、今後3年計画で、耐震強度2に上げる工事をする。それで家が80年間も使える計算である。そのように家が長く維持できた要因は、基礎の構成がしっかりしていたためだ。当時のプレハブ住宅は、殆ど建て直しとなっている。当時のプレハブ住宅は、補強工事が出来ない構造であった。

 

100年持つ人間

 これは人でも同じである。基礎ができていれば、歳老いてもつぶしが効くのだ。定年になっても、「終わった人」とならないように、継続して学ぶのだ。

 下駄ばかり履かせてもらい、真剣に勉強もせず、世を渡ってきたKK氏は先行きが心配である。基礎ができていないから、老いても使い道がないだろう。

 人にも試練が必要だ。甘やかされた人間は、人生でたった一回だけの激震で沈没する。その例を、私を踏んづけて去っていった二人のエリート若者に見た。人生の三大不幸の一つは「若くして高台に上る」である。

 

 日本の家造りは、地震と言う試練があったので、ハウスメーカ各社が切磋琢磨の取り組みをして、耐震性・耐久性を向上させてきた。日本人が、その恩恵にあずかれるのは、幸せである。近隣諸国のように、手抜き工事、欠陥工事による不良建築物が少ないのは、我が国の誇りである。家の信頼性は、民度が高い証である。

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大垣防災ハンドブックより

2021-12-31  久志能幾研究所通信 2256号  小田泰仙

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