老計・漏計 誤悦同臭をぶっ飛ばせ
男子が洋式トイレで立ったまま用をたすと、1日に2,300滴の小水の飛まつが便器の周辺に飛び散る。高さは1m、範囲も1m四方に及ぶ。こびり付いた尿滴が尿石となって匂いと黄ばみの原因になる。その尿滴を栄養として細菌が増殖して悪臭であるアンモニアを発生させる。
トイレ掃除の基本(LionのHPより)
http://lifeon.lion.co.jp/cleaning/04/01.htm 2016/01/21
この話をトイレのリフォーム後に業者から聞き、ネットでそのデータや映像を確認して驚嘆した。それから早々に座りションに姿勢を改めた。またそれ以降、毎朝、トイレ掃除をする習慣となった。毎朝トイレを掃除するのでいつもピカピカなので、掃除も苦にならない。掃除が楽しいとも思うくらいである。
誤悦同臭
上から視線で自慢話を聴衆に放出すると、思いもよらぬ所までその言葉の害毒が飛散する。自分のズボンにも小水の飛まつが付着すると同じように、自分の言葉の影響を最大に受けるのは自分自身である。自分が吐いた言葉が回りにどんな悪影響を与えているか、自省したい。大事なご縁が人生という器から漏れていく。
元エライさんが偉くなった経緯の自慢話をすると、聞かされている人の心を汚す汚染物が飛まつとして飛散する。人を押しのけて出世するのがよき価値観と思う人との付き合いは避けたい。出世は努力と運のめぐり合わせの結果であって、能力の成果ではない。出世を目的にする生き方をする人と付き合うと、尿滴のような不潔なものが心に沁み込み、言動が小便臭くなる。誤悦同臭である。ブラック企業も暗い家庭も同じように汚腐のしずくを周囲に撒き散らす。それが知らず知らずに身に染み込んでくる。還暦を過ぎた身なら、そんな腐臭が飛び交う生臭い会合の場所からは遠ざかるのが賢明な老計である。そこは心ある人には縁無き場所である。お墓に入る前には、心身を綺麗にして旅立ちたいものだ。
下座行
自分が謙虚に座って所用をすませると、視線が低くなり、自然と吐く言葉も謙虚な言葉になる。立っていれば気がつきないことが、座れば見えてくる。それが下座行である。トイレのリフォームをしての最大の発見であった。65にして初めて体得した境地である。
2021-11-29 久志能幾研究所通信 2223号 小田泰仙
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