がん診察費の請求額75円に衝撃を受ける
今日(10月27日)、先週に受けたがん検査(CT)の結果を聞くため、愛知県がんセンターに出向いた。診察が終わって会計の窓口で示された金額が、2つの診療科を受けて合計150円である。つまり一医師の診察費がたった75円で、絶句である。
1週間前のがん検査(CT)では、1万円前後の検査費を支払った。それは納得できるが、今回は安すぎて絶句なのだ。
検査結果は、がんの再発がなく、安心はしたが、診察費150円に心が乱れた。
医師のノウハウ代が激安
衝撃を受けたのは、経験が豊かなガン専門医が検査のCT画像のデータをみて判断する技術料(がんの判別)が、たったの75円であること。それは経験豊かな医師への冒涜である。
医師はCTの画像を見て、がんの有無を調べる。いくら機械の性能が良くても、医師がCTの画像で、小さながんを見逃せば、アウトなのだ。その結果は、医師の眼力にかかっている。それが75円なのだ。おかしいではないか。
病院の収入源
だから医師は診察だけでは利益が出せないので、医療現場は、手術、高額機械での検査や薬投薬に、利益を求める。しかしCT装置やMRI等の設備費には、高い減価償却費がかかるので、結果として高い検診費となる。
現代医療の代金は、薬代や手術代、検査費でそれが賄われており、医者の経験智の対価にはお金が払われていない。そのため病院経営を成り立たせるため、過剰な検診や投薬が行われている。それが今回の75円の診察費で明らかになった。
本来の医療は、過剰な薬投入、過剰な検査、過剰な手術が施行されているようだ。まじめに未病を治す治療はできなくなっているようだ。
現代の病院は高額の治療をするが、病気は治さない。そうしないと病院経営が成り立たない。過剰な医療をして、病気になれば、更に高額な医療を施す。医療費はうなぎのぼりである。悪魔のサイクルである。だから医療費が43兆円を超えた。
この根本原因は、厚生省が医師の診察ノウハウを軽視していることだ。それが日本の社会が頭脳労働の価値を軽視している証しである。それが日本が米国のGAFAに負けて、成長できない根本原因である。だからこの30年間、日本人の給与は上がらなかった。欧米のそれは全て上昇しているにも関わらず、である。
医療がライン作業化で劣化
だから癌の再発防止策を医師は患者に教えない。教えたくても医師もがんの本質が分かっていないのが現実だ。
医師も、私は検査をする人、私は手術をする人、私は抗がん剤を投薬する人、と分業で仕事が進められ、他の科のことは関知しないようだ。だから検査をして、がんが見つかれば、手術をして、抗がん剤を投与して、後は定期的に検査をするという体制に縛り付けられる。それががんセンターの「標準コース」である。
医師は患者が「標準コース」から外れることを嫌がる。だから患者が「標準コース」を拒否すると、「命の保証はしない」と脅す。私も実際に脅された。私は薬剤医師とけんか別れをして、抗がん剤治療から逃げた。
医学の分業化、細分化の究極の姿が、病気は治りました。しかし患者は死にました、である。物事を細分化すればするほど、本質がみえなくなる。西洋の科学とは、物事を細分化して研究する学問である。それに対して東洋の学問は、俯瞰的に統合して考えるである。
だから病院は、どうすれば癌が再発を防げるかの指導はしない。だから私は自分で癌再発防止の手段を必死に探し、日本全国(東京、名古屋、養老町、九州)を走り回って、その解決策を見つけた。
対処療法の末路
「病気は元を断たなきゃだめなのよ」だが、医療現場の実態では、永遠にそれの実現が難しい状況である。医療現場は、対処療法オンリーである。だから医療費がこの40年間で4倍に増え、昨年度に43兆円を超えた。しかし患者も4倍に増えた。それなのに税収は60兆円しかない。何かが狂っている。これは医療の問題ではなく、政治の問題である。
危機管理
自分の城である「体」は、自分で守るしかない。誰も助けてくれない。
トヨタの鉄則「自分の城は自分で守れ」
トヨタの鉄則は、キリスト様の言葉と同じである。
「天は自ら助くる者を助ける」
ベートーヴェンでさえ、
「神に頼るとはなんたることか、自分で助けよ」という。
私はトヨタの掟を守っているので、今も生きている。
生き延びるためには賢くなければならぬ。
知識だけでは生きていけない。
松本明慶大仏師作 普賢菩薩像
2021-10-27 久志能幾研究所通信 2192 小田泰仙
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