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2021年9月15日 (水)

白衣観音、オニの明慶師を笑顔に変える

 

 大仏師松本明慶先生は、仕事のオニ(魂)である。オニとは「鬼」が「云う」と書いて「オニ(魂)」である。私はこの10年間、全国のデパートで開催される松本明慶仏像彫刻展に、追っかけで走り回っている。その折、いつも松本明慶先生とツーショットの写真を撮らせてもらっていた。

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 オニ(魂)  松本明慶大仏師作

 

明慶先生の変身

 松本明慶先生は、当世の仏師の第一人者として、いつも威厳ある趣の顔でツーショットであった。しかし今回、名古屋・名鉄百貨店で開催された松本明慶仏像彫刻展(9月8日~13日)では、すこし勝手が違った。

 私とツーショットを撮る前、先生は婦人たちとの記念写真で、明慶先生はご婦人たちに「もっと笑って、笑って」と言って一緒に笑顔で写真に納まっていた。

 次に私とのツーショット時も、「小田さん、もっと笑って、笑って」である。この10年間で、こんなことは初めてである。私もいつもの真面目くさった顔を、今回は少し緩めて笑顔で写真に納まった。周りのお弟子さんたちも、明慶先生と私の笑顔をみて、素敵な顔ですねと世辞?を言う。

 

白衣観音のご指導

 聞けば、先生の白衣観音様(奥様・華明さん)から、「人生の後半になったのだから、もっと笑顔を見せて過ごすように」と、お叱りと言うか、お小言をされたようだ。今まで松本工房の統領として、40人の弟子の前では厳しい指導をするため、笑顔が少なく、顔つきも厳しくなっていたようだ。しかし、いま仏師として日本一の名声も得たし、後継者も成長したし、全国各地に大仏も数多く建立したし、高野山中門に四天王の納佛という大仕事もできた。それで華明さんが、明慶さんの行動を見かねて笑顔に関する助言されたようだ。

 

笑顔の力

 笑顔でいれば自然と仏様から愛される存在となる。笑顔で顔の筋肉を鍛えれば、幸運をつかむ力なる。笑顔は「顔施」といって、七布施の一つである。それで運命がよくなる。

 人は幸せだから笑うのではない。笑うから幸せになれるのだ。

 明慶さんの仏像の素晴らしさを見て、笑顔になれば幸せである。仏像を見て笑顔にならなければ、その出来が悪いというようなものだ。

 人は、人に恵むことで初めて救われる。幸せは、人から奪うことでは達成できない。お釈迦様は、托鉢でまわるなら、貧しい人の所に行きなさいと言われる。貧しいからこそ、ほんの少しでも人に恵むことで幸せになれる。それが顔施である。それが出来ないようでは、人生の成功はあり得ない。

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  馬場恵峰書

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私の顔😐  2011年9月13日 名鉄百貨店で

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私の顔😐  ‎2017‎年‎1‎月‎11‎日  富山の名鉄百貨店で

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私の顔😊 2021年9月13日 名鉄百貨店で

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 馬場恵峰書

2021-09-15   久志能幾研究所通信 2150  小田泰仙

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