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2020年10月21日 (水)

跳ぶ前に前を見よ  磨墨知13.

 

 蒔いた種は刈らねばならない

  And look before you ere you leap;

   For as you sow, ye are like to reap!

  時間は取り戻せない。だから 跳ぶ前の熟視と熟慮が時間ロスをなくす。

 

 飛蝗(ばった)は、複眼の5つの眼で3m先の着地点を五次元で立体的に確認してから、一気に跳ぶ。体長から見て、人間の大きさに換算すれば、100m先まで跳ぶことになるから、着地点を見極めないと跳べない。

 飛蝗とは「虫」の「皇帝」と書く。飛躍を象徴する縁起物の虫である。

 虫の飛蝗が5つの眼があるなら、霊長類の我々はせめて、眉間の間にある第三の目で世相を見るべきだ。第三の目の開眼が悟りである。煩悩、欲望に曇った目では、1日後も見通せまい。無私になれば10年後が見える。それを見据えて、飛びたいもの。そのエネルギーは志である。

 貴方は何処へ飛ぶつもり? 予想される結果は何?

 跳ぶ前に、もう一度、考えよう。

 跳ぶなら、全智全能を駆使して先を観て、遠くに飛ぼう。

 

 下図は松本明慶大仏師作の「飛蝗」である。師が持てる技術の粋を集めて彫ったフォーミュラ車のような作品である。この飛蝗は製作に手間がかかり過ぎて、年に数個しか作れない。角以外は、下の古木を含めて全て一木彫りである。師はこの技術を使って、仏像を彫られる。

 私は昔、仏像彫刻に取り組んだことがある。木で作品を作るのが趣味である。その目で見て、明慶師の超越技に眼を剥いて、作品を入手した。バッタの大きさ5センチ。古木の長さは12センチ。お値段は軽自動車一台分。

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 松本明慶大仏師作 古木に飛蝗

2020-10-21 久志能幾研究所通信 1794  小田泰仙

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