ラジコンヘリで昔にタイムスリップ
加齢なる美学(華麗なる美学)
定年まで真面目に働き、義務としての社会の務めを終えて、定年後に自分の時間をもてるとは何と素晴らしいことか。
定年後の時間は平均寿命80年としても、20年間もある。私の予定は108歳まで? 残り20年としても、一日12時間×365日×20年で87,600時間の広大な宇宙が広がっている。22歳から60歳まで年間2000時間を働くと、約76,000時間を会社に拘束されて働いてきたことになる。しかし定年後はそれ以上の宇宙が広がっているのだ。その時間があり、意識すれば、一仕事が出来る。そう思って、私は毎日精進している。だから現役以上に忙しくて仕方がない。
今まで40年近く、自分の技を磨いてきたのだから、新しい道は無限に広がっている。一つの道に5千時間も投じれば、飯を食えるプロになれる。その時間はあるのだ。そう思えば、定年後はバラ色である。
定年後の闇世界
世には定年後の生活が地獄の人もいる。国立大学の工学部長まで勤めて、定年退官後、私立大学の学長まで勤めた人が、現在の処遇を泣いていた。「定年まで仕事一筋で働いて、気が付くと家に私の居場所がない。家内が家の中を総て取り仕切っていた」である。その人は認知症になってしまった。
定年後、契約社員として働いても、能力の低い元部下の元で働くのは地獄である。部下は無く、肩書権限もなく、社外工と同じ扱いである。精神的に参ってしまい、65歳まで勤める人は稀である。
定年になってまだ家のローンが残っているので、老体に鞭打って働いている人もいる。それでは電話代も奥さんに管理され、電話一つ自由にはかけられない状態になる。お小遣いもままならぬ。自由に外出もままならぬ。趣味もなく、家ではやることがなく、奥さんや子供からは、粗大ごみ扱いである。
定年後、家で何もせずぶらぶらしていると、奥さんや子供から邪魔者扱いである。人格を高めていないと、父の権限などどこにもない。
私が昔、一緒に仕事をした人に電話をしたら、奥さんが電話に出て「あんたー、オダって人から電話!」と怒鳴っていた。それでその人の家庭内の扱われ方が露見した。それ以来、その人に連絡はしていない。
そうならないように、現役時代に準備を怠るな、が教訓である。一番の修養は、己の人格の向上である。
若い時にタイムスリップ
若い頃、やりたくてもお金が無く、時間がなく、世間体があり、親の許しが出なくて諦めたことが、定年後の今なら出来るのだ。そんな素晴らしい時間が、第二の人生である。
昔の趣味が復活、人生再生
私の学生時代の趣味は飛行機であった。当時はお金もなく、勉強も忙しかったので、精々、ソリッドモデル作り、Uコン作り、ゴム動力飛行機作りが精々であった。ラジコン飛行機など夢の夢であった。
昨日、ご縁があり欲しかったラジコンヘリコプターが舞い込んできた。私の先生が骨董品屋で、激安の値段で売っていたラジコンヘリを見付け、手配してくれた。気に入って早々に居間に飾った。50年前の心境にタイムスリップである。生きていてよかったと思う。癌などで死んでなんかいられない。これが命の泉である。これこそが大人のオモチャの楽しみである。これをバネに新しい仕事が出来る。
2020-08-24 久志能幾研究所通信 1718 小田泰仙
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