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2019年7月24日 (水)

ご用心:金貨でも腐る

 身辺整理で家中を整理整頓していたら、33年前の1986年に母が買っておいてくれた昭和天皇在位60年記念10万円金貨が出てきた。ネットで調べると市価は13.8万円である。

 ところが詳細に調べていくと、金貨で保存すると、金貨でも腐る(価値下落)ことを発見した。買う場合の市価は138,000円だが、それをコイン商に売りに行くと、買取価格は100,100円である。少し汚れていれば、原価の10万円である。

 10万円金貨を金の含有量で計算すると、金の含有量は20gだから、一グラム4,800円として、96,000円にしかならない。

 つまり33年かけて100円しか儲からない。交通費を加味すれば赤字である。それより金利が1%で回る商品に投資をして複利で回せば、100,000円が 138,869円になる。それも世にはもっと高利で回る金融商品がある。金貨のままでは100円しか儲からない、である。物価上昇を初任給で考えれば、実質三分の一に減価した。つまり、金貨のままでの死蔵では、減価なのだ。コイン収集で儲かるのは、コイン業者だけである。

 

動けば何かが変わる

 お金はお足である。死蔵で、お蔵に留めておくのではなく、世の中に回して初めて、その価値を増やすことが出来る。情報も、ご縁も、自分自身も世の中で走り回って初めて価値を出せる。それを死蔵するから、お金に恨まれて、金が寄ってこなくなる。お金だって、心がある。

 人のご縁だって、陸の孤島で引きこもりでは、何ともならない。縁を精選して歩けば、ご縁がご縁を呼んで幸運が訪れる。お金も大事に使ってあげれば、嬉しくなってお友達を連れて帰ってきてくれる。コイン、切手、絵画等を、ため込んで金儲けをしようとしてもダメである。

 人生で最大の金貨は自分である。人生が思い通りにならないからと言って、動かないのでは、何時までも止まったままである。

 

ニュートンの第一運動方程式

 止ったものは止まったまま。動いているものは動いているまま。

 

 人生は、動けば何かが変わる。それがマイナスの結果になっても、よいではないか。マイナスが結果なら、それをしてはダメということが分かった学びである。死蔵では何も変わらない。人生で最大の投資先は、「動き回る」自分自身である。動けるのも生きている間だけ。

 命には限りがある。一日一日、命は尽きていく。死蔵では、死んだまま価値が尽きていく。自分の命は、生かして寿命を全うしたい。

 

2019-07-24   久志能幾研究所通信No.1270  小田泰仙

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