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2019年6月 8日 (土)

改善要望案「仙台国際音楽コンクール」

 今回、浜松、高松、仙台と日本の三大国際ピアノコンクールの第一次予選を全て聴いて、その比較から、仙台国際ピアノコンクールで、下記の点の改善を要望する。

 

1.課題曲時間の変更

 一次予選の課題曲の演奏時間が、40分では長すぎる。20分にすべきである。

 浜松国際ピアノコンクールも高松国際ピアノコンクールも、課題曲の演奏時間は20分である。多く候補者から優劣を選ぶのに、40分の演奏を聴き分けるのは、困難がある。一次予選の課題曲は独奏曲で、協奏曲ではないので、20分がベストである。

 それがプロの審査員でも辛いので、今回のアリーナ席の封鎖という愚行になったようだ。一次予選を聞く楽しみの素人の音楽愛好家にとっては、長時間(予選だけで3人連続2時間、連続で30時間)は辛く、なおさらである。人間の集中力は20分程度しか続かない。

 私のような素人でも安心して聴けるように、最初の一次予選では20分で審査すべきである。なにせ36人も演奏する長期戦なのだ。それが3人続いて演奏すると、2時間の長さとなる。浜松国際ピアノコンクールでは、88名が演奏する。だから一人20分の演奏なのだ。それで演奏の差、ピアノの差が分かって、コンクールを聞く楽しみが出る。仙台国際音楽コンクールでは、それが阻害されている。

 

2.運営の変更

 審査員の権限が大きすぎるようだ。見直すべきである。第三者の立場で、そのチェック機能を持たせないと、今回のアリーナ席の封鎖という醜態を再発させる。

 現場責任者も観客の声を無視する態度では、国際ピアノコンクールの名が泣く。今のままでは、ド田舎レベルのコンクールである。危機管理上でもコンプライアンス上の規定でも問題である。

 

3.特色を生かす

 仙台国際ピアノコンクールの他の2つの国際ピアノコンクール(浜松、高松)との差はなにか。それがよくわからない。その特色を打ち出し、アピールすべきである。協奏曲が特徴というが、一次予選ではそれは制限されていない。ファイナルでは、どのコンクールも楽団との協奏曲で審査が行われる。

 協奏曲中心という独自のコンセプトを打ち出した解説をしたHPにあるが、それはセミファイナルとファイナルの課題曲で、公式HPで一次予選には、そんな制限は記載されていない。他の2つの国際ピアノコンクールでもファイナルは、同じく協奏曲の課題である。

 

国内三大国際ピアノコンクールの比較

一次予選の課題曲

◆浜松国際ピアノコンクール応募規定

 5日間にわたり出場者全員の審査が行われる。(第10回は88人が出場)

練習曲1曲以上を含む自由な選択により20分以内で演奏する。最終日に第2次予選に進む24名を発表します。

1p1110874s

2p1050974s

   2018‎年‎11‎月‎9‎日 浜松国際ピアノコンクール

◆高松国際ピアノコンクール応募規定

 (A)バッハ 平均律Ⅰ、Ⅱ巻より1曲※予備審査曲と重複してもよい※予備審査曲と重複してはいけない

 (C)1900年以降に作曲された作品

 (B)ショパン 練習曲作品10または作品25より1曲 

 下記の(A)、(B)、(C)の順に演奏する。演奏時間は合計20分以上25分以とし、繰り返しは自由とする。

3p1100084s

4p1100114s   2018‎年‎3‎月‎14‎日 高松国際ピアノコンクール

◆仙台国際ピアノコンクール応募規定

 任意の独奏曲で、35分以上かつ40分を超えない演奏時間のリサイタルプログラムを構成し、演奏する。

 ただし、下記の作曲家の作品から1曲以上、かつ、10分以上の演奏を含めなければならない。

 J.S.バッハ,ハイドン,モーツァルト,ベートーヴェン,シューベルト,メンデルスゾーン,ショパン,シューマン,ブラームス

 ・曲数、各曲の長さについては特に指定しない。ただし、ピアノ・ソナタを選んだ場合には全楽章を演奏すること。

 ・特殊奏法(内部奏法、プリペアドピアノ、トーンクラスターなど)を含む作品は選択の対象外とする。

5p1070080s

6p1070067s

  ‎2019‎年‎5‎月‎27‎日 仙台国際ピアノコンクール

2019-06-08   久志能幾研究所通信 小田泰仙

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