岩村の先賢教育に学ぶ
2018年12月17日、岩村の佐藤一斎顕彰会会長・鈴木隆一氏に面会して、今回出版する馬場恵峰書『佐藤一斎著「言志四録」51選集』の件でご挨拶をした。また今度、揮毫する板書の下打ち合わせとその手配を行ってきた。
学校教育
その時、鈴木隆一氏より岩村での佐藤一斎の学校での教育についてお話を伺った。岩村小学校では、6年生の50数名に対して、佐藤一斎の教えの講義を、鈴木隆一会長が、年間6時間(2時間を3回)を担当されている。素直な年代の小学校生は、水が砂に沁み込むようにその教えを吸収するという。小学校生は、卒業までに、言志四録の名句を30句、暗記するのを努力目標に頑張っているという。日本の未来に少し希望が持てて嬉しかった。
他にも近隣の山岡中学、岩村中学、恵那南高校でも、先賢講座として、佐藤一斎や下田歌子、三好学の賢人についての講義をしているという。地元の先賢に学ぶのは素晴らしい教育だと思う。
「西郷さんの言志録in 岩村」 (岩邑小学校のHPより)
下記は岩村小学校の佐藤一斎を学ぶ活動である。
恵那市岩邑小学校では、「ふるさとを愛する子」を育てることを大切にしている。岩村の小学校(恵那市立岩邑小学校)では、佐藤一斎を学ぶ一環として、今年は「西郷さんの言志録in 岩村」をテーマに下記を実施した。
1:ねらい
子供達が岩村の町のどこに南洲手抄言志録の条文があるかを調べる活動を通して、次の2点をねらう。
(1)西郷隆盛という偉人と一斎先生とのつながりを学習することを通して、佐藤一斎先生の偉大さを実感して、言志四録の条文の理解を深める。
(2)現在、南洲手抄言志録が岩村のどこに掲示されているかの地図がないので、この地図を岩邑小学校の児童の力で創り上げることで、活動の成就感や、地域へ貢献することの達成感を味わわせる。
2:日時
10月11日(木)8時30分出発~9時05分帰校(小雨決行)
(朝の会後、8時25分知新門整列完了)(1)項を実施。
3:活動内容
(1)1年生から6年生までが縦割り10グループごとに分担の場所へ出かけ、情報収集した。南州手抄言志録の句の場所を岩村の町で探しタブレットで写真を撮り、句のある場所をマークする。
(2)6年生が中心となり、集めた情報をどのように活用するかを考える。
(3)岩邑小学校全校児童による「西郷さんの言志録in 岩村」という情報地図を発行し、地域に活用してもらえるようにする。
「西郷南洲遺訓」とは
「言志録」は佐藤一斎(1772~1859)が著した語録である。「言志録」「言志後録」「言志晩録」「言志耋録」の四書を併せて「言志四録」と総称され、全1133箇条で構成されている。一斎が40余年の歳月を費やして編纂した語録である。なお、「耋(てつ)」は「老いに至る」の意味である。「手抄言志録」は、西郷南洲こと西郷隆盛(1828~1877)がこの「言志四録」から101箇条を選び出して座右の書とした。西郷隆盛は、この書を流島の牢獄で繰り返し読み、自己の精神を鍛えたと言われる。佐藤一斎の「言志四録」なくして、明治維新はならなかったと言われている。
2018-12-17 久志能幾研究所 小田泰仙
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