恵峰先生に厚かましいお願い
長く馬場恵峰先生の教室に掲示されていて、前から気になっていた書画があった。なにか絵の構成がしっくりこず、購入を躊躇していた。
書友のTさんも、この書画が間延びしていることには同意見だったので、2018年10月5日、先生に間延びしている空間に、追加の文字を書いてもらうお願いを、恐る恐るした。そうしたら、すぐ「書きましょう」と言って、その場で「無量寿」と「行雲流水」を書き足された。これで全体が締まり、書画が人生を表す絵として、格が上がった。書の大家の先生に厚かましいお願いをしてよかった。すぐに「無量寿」と「行雲流水」を思い浮かべて、書き足す先生の才能はただものではない。
この書画の意味
この書画は人の一生を表わしている。人生の最初は、みんなと一緒に修行をする。その修行は、無量寿をめざすこと。無量寿とは、(梵)amitāyusの訳で、阿弥陀仏の寿命が無量であるところから阿弥陀仏になることをめざすこと。
皆との集団修行がおわれば、人として一人前になり、一人自分の道を歩む。それは「行雲流水」のごとくである。行雲流水とは、空をゆく雲と川を流れる水のように、執着することなく物に応じ、事に従って行動することである。
いくら頑張っても人生100年である。何を愚かに物事に執着するのか、己を自然の一部の存在として、行雲流水の如く生きよとの教えである。
そして老いて一人静かに庵で人生を振り返る。その後ろの障子に己の影(人生の歩み)が投影されている。その影の描写がなかなかに良い。
この絵に「無量寿」と「行雲流水」を書き足して、全体の意味がよくわかるようになった。
2018-11-07 久志能幾研究所 小田泰仙
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