魔墨知269. 本の価値、本の実戦
本の内容を自分で実践しようしたら1年はかかる。それを1000円前後と1時間程度で手に入る。その価値を認識しよう。わずかなお金で時間が買えるのだ。本を読むとは、著者に課題のプロジェクトを実行してもらい、その報告を受けているのだ。
立花式「実戦」に役立つ14カ条 立花 隆
①金を惜しまずに本を買え。本が高くなったといわれるが、基本的に本は安い。1冊の本に含まれている情報を他の手段で入手しようと思ったら,その何十倍、何百 倍のコストがかかる。
②1つのテーマについて、1冊の本で満足せず、必ず類書を何冊か求めよ。
③選択の失敗を恐れるな。失敗なしには、選択能力は身につかない。
④自分の水準に合わないものは、無理して読むな。読むだけ時間のムダである。
⑤読むのを止めることを決意した本についても、一応終わりまで1ページ、1ぺージ 繰ってみよ。
⑥速読術を身につけよ。
⑦読みながらノートをとるな。
⑧人の意見やガイドブックのたぐいに惑わされるな。
⑨注釈を読みとばすな。
⑩ 本を読むときには、懐疑心を忘れるな。活字になっていると、何でももっともらしく見えるが、世評が高い本にもウソ、デタラメはいくらでもある。
⑪オヤと思う(いい意味でも、悪い意味でも)に出会ったら、必ず、この著者はこの情報をいかにして得たか、この著者のこの判断の根拠はどこにあるのかと考えてみよ。
⑫何かに疑いを持ったら、いつでもオリジナルデータ、生のファクトにぶちあたるまで疑いを押し進めよ。
⑬翻訳は誤訳、悪訳がきわめて多い。翻訳書でよくわからない部分に出会ったら、自分の頭を疑うより、誤訳ではないかとまず疑ってみよ。
⑭大学で得た知識など、いかほどのものではない。社会人になってから獲得し、蓄積 している知識の量と質、特に20代、30代のそれが、その人のその後の人生にとって決定的に重要である。若いときは、何をさしおいても本を読む時間をつくれ。
立花隆著『ぼくはこんな本を読んできた』文芸春秋社 1995年 1500円
本を読むとは、安岡教学で説く「思考の三原則」の、広い目で全体を見る、長い目で長期的に考える、元の目で原理原則に照らすを考える、である。
2018-11-21 久志能幾研究所 小田泰仙
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