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2018年9月 5日 (水)

優しい人がガンになる

 憎まれっ子世に憚る。優しい人がガンになる。優しい人は、言いたいことも言えず、仕事を抱え、問題を抱え、悩みを抱え、ストレスを多く抱えるからガンになる。ガンまでも行かなくても、胃潰瘍、神経失調症、不眠、うつ病になる。ストレスがあるから、食べてはいけないモノを余計に食べて、肥満になり病気の原因を作る。

 私はガンになる要因の半分は、精神的なものだと思う。最近、身近な人がガンになられて、私は落ち込んでいる。

 

正道を行く

 正しいことを嫌われていいから言おう。言わなくてストレスをため込むよりいい。そうしないと、鬱病になってしまう。そうすると自分の人生時間を病気に奪われる。家族を悲しませる。正しいことを言わないと、その組織は死ぬ(倒産、失業)。正道を行って、冷遇されたら、それは組織の方が間違っていると思おう。違法なら、いつかは露見する。正論を言わないと、業務上過失致死罪に問われる恐れさえある現代である。

 タカタのエアバック事件、三菱自動車の事件、JR西日本の違法教育が起因の脱線事故を起こすより、正しいことを言って、左遷された方が、死亡事故を起こすよりも、また自殺に追い込まれるよりはいい。正しい辞職や左遷は、自分の運命を好転させる。それは仏様のご配慮と思おう。

 上司の違法な指示に従うのは、会社での成功(出世)が、人生の勝利の価値であると洗脳教育をされているのだ。電通で、東大出の女性が過労で自殺に追い込まれた事件があった。彼女は会社の出世至上主義教に洗脳されたのだ。死ぬくらいなら何故、やめなかったのか。命と出世とどちらが大事なのか。障子を開けてみよ、世間は広いぞ、別の道がいっぱいあるではないか。

 

自分の価値観

 会社内や世間での成功が、一番の価値観と思うから、定年後に不幸になる。自分の価値観を会社の価値観に迎合させた罰である。人がどう思おうと、自分が幸せと感じればよいのだ。自分が幸せになる努力を必死にやろう。そうやって水木しげるさんは幸せを手に入れた。

 最近、水木しげるさんの版画を入手してから、水木しげるさんの生き方に興味を抱き、著作を7冊ほど入手して読み込んでいる。そこで共感したことにヒントを得てエッセイを書いている。

 

気とは

 「元気」、「やる気」、「病気を治す気」になる「気」になろう。正しく生きる「気」になろう。「気」は旧字では「氣」と書く。「米」は米粒のような小さいものの意味。音符の「気」は湧き上がる蒸気の意味。霊気、水蒸気の意味。その気にならないと、何事も成就しない。日本の景気が良くならないのは、政府に景気を良くする本「気」がないから。デフレだ、少子高齢化のせいと、諦め「気」味になっているからだ。

 

水木しげるサンの幸福の7か条

 1.成功や栄誉や勝ち負けを目的に、ことを行ってはいけない。

 2.しないではいられないことをし続けなさい。

 3.他人との比較ではない、あくまで自分の楽しさを追及すべし。

 4.好きの力を信じる。

 5.才能と収入は別、努力は人を裏切ると心得よ。

 6.なまけ者になりなさい。

 7.目に見えない世界を信じる。

 

好きなことに全力投球

 ノーベル生理学賞を受賞された大村智先生も、稼ごうとして特許料200億円を得たわけではない。研究が好きだったのだ。水木しげるさんも稼ごうとして妖怪漫画を描いてきたのではない。絵を描くことが好きで、片腕しかない身で、それしか生きていく術がなかったからだ。家族思いの水木さんは、生活の糧を得るのに必死だったのだ。必死ではあったが、水木サンルールを作って、それを信条に生きてきた。だから93歳の天寿を全うした。

 

睡眠の水木ルール

 水木さんは、「ゲゲゲの女房」の布枝さんに「手塚さんも、石ノ森さんも、みんなすごい漫画家だったけれど、あの人たちは眠らずに仕事をした。オレもあまり眠らなかったけど、あの人たちはそれ以上だった。だから早く死んでしまった。人間は眠らなきゃダメなんだ」(p217)と回顧している。ご先祖から頂いた命だ。大事に使わなくては罰が当たる。

 

なまけもの

 「ナマケモノになりなさい」は、水木さんの超一流の逆説的な言い回しである。水木さんほど、死に物狂いに漫画を描き続けた人はいない。自分の好きな道だから、人から言われなくとも必死になれる。それ以外の世間の雑事はなまけなさい、である。

 新婚当時、水木さんが一心不乱に漫画を描いていた。その後ろ姿からオーラがでていて、新妻の布枝さんは、水木さんの仕事姿を、ぼーっと眺めて感動したという。

 その二人が年老いて、富士山の小屋に行ったとき、布枝さんは、「私じゃない人と結婚していたら、どうなっていたのかなぁ」と水木さんに聞いた。水木さんはポツリと言った。「よかったんじゃないか、お前で、いつもぼんやりばかりしていて」、「ぼんやり? 私、ぼんやりしている?」、「とんでもなく、ぼんやりだ」、「そうかなぁ」、「ああ、横を見ると、いつもお前がぼんやりと立ってたな」。

 黙って見守るのは慈愛の仏様なのだ。ごちそうさまでした。水木さんは、慈愛に満ちた仏様に見守られて、93歳の天寿を現役のまま全うした。

(内容の一部は、武良布枝著『ゲゲゲの女房』実業之日本社刊 を引用)

 

2018-09-05  久志能幾研究所 小田泰仙  

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