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2017年12月22日 (金)

大垣市の衰退の兆(2/5)・危機管理

 大垣市の行政を観察すると、大垣行政の危機管理意識の希薄さが見えてくる。組織図に見る危機管理への対応の不備、ロボフェスおおがき2017での人命軽視状況、元気ハツラツ市等での大垣市の危機管理意識の希薄さは目を覆うばかりである。

 

1.市民の安全が火葬場の下?

 本来、大垣市が安全責任を負うべき部署は、大垣市行政機構図(平成29年4月1日現在)を見ても、組織上で火葬場管理の下に置かれている。危険を予知してそれの管理を総合的に監査する部署は、組織の上位にあるべきだ。大垣市にはその「危機管理室」はない。刈谷市の組織図では、上から3番目に「生活安全部」がありその下に危機管理室がある。大垣市は市民の安全管理部署が火葬場管理部署の下にあるから、事故が起きたら、葬儀は迅速に執り行いますとのブラックユーモアである。

 大垣市の組織では、市民全体の命と安全を取り仕切る「生活安全部」がなく、日常生活を見る「生活環境部」しかない。その部署の位置付けが、かがやきライフ推進部、上石津や墨俣の一地区の下なのだ。論理構成欠落で、重要性の優先順位が理解されていない。テクニカルライティングでは、需要な事項から書く。組織図でも同じである。そこに大垣市長の貧弱な思考回路が伺える。今の市長に大垣市民の命は預けられない。

 

 大垣市行政機構図(平成29年4月1日現在)を見ても、大垣市民の安全を統括管理すると思われる組織がない。末端の組織の中に「生活環境部 生活安全課(防災政策、防災安全、交通安全、公共交通、駐車場、消防防犯)」があるだけである。これは総合的に市民の安全を統括する部署ではない。イベント等でのドローン墜落事故もセグウェイの安全対策に責任を持つ部署がどこか不明である。「(防災政策、防災安全、交通安全、公共交通、駐車場、消防防犯)」の文字も一番小さいフォントで印刷されており、まるで読んで欲しくないとの意思表示のようである。組織図上で、生活安全課の記載された16階も上部に、「庁舎建設推進室」の部署が記載されている。大垣市行政機構図に、大垣市長の市民に対する思想が透けて見える。組織図で見る限り、大垣市長は、市民の安全には重きを置いていない。それよりも新市庁舎建設が大事なのだ。

 

2.ドローン墜落での人命軽視状況

 大垣公園にドローンが墜落した事故が起きた時刻14時5分の約50分後、私はその会場に通りかかったが、大垣公園の広場はその事故の後始末の雰囲気もなく、事故での安全再確認を行っている気配もなく「98式イングラム」をダシにして小さい子供を集めて、盛大に行事が行われていた。その「98式イングラム」の収納作業で、特装車作業班が、安全無視でヘルメットもかぶらず作業をしていた。安全作業上でヘルメットは必要である。大垣行政全体に、危機意識が希薄である。

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 ドローン墜落事故が起きたのだから、本来なら、現在行っている行事を中断して、安全の再点検を実施するのが安全管理部署の基本の行動である。その安全管理部署が大垣市には存在しない。ゴキブリが1匹見つけたら、他に百匹のゴキブリがいると思うのが、危機管理の常識である。トヨタグループでは、そうやって車の乗員の命の安全確保、職場の安全確保を最優先で仕事をしている。大垣市行政は、安全より行事遂行、節約が最優先のようだ。

 ドローンを飛ばすには、人の集まる上空での飛行禁止、モノをまくのは禁止との航空法の規定がある。それを無視して、大垣市は業者に菓子まきを指示した。大垣市民の命など知ったことでないのだ。その結果が、ドローン墜落人身事故である。

 ハインリッヒの法則は、労働災害における経験則の一つである。1つの重大事故の背後には29の軽微な事故があり、その背景には300の異常が存在する。「ロボフェス大垣2017」や元気ハツラツ市で見た人命軽視の展示のオンパレードは大垣市行政の業病の深さを物語っている。大垣市行政の不始末の責任は大垣市長に帰着する。

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3.セグウェイ運行での安全無視

 大垣城ホールの中では「ロボフェス大垣2017」が開催され子供達で盛況であった。ロボット技術に子供達が興味を持つために、イベントを開催する事は素晴らしい。しかし、そこで目にしたのは、安全無視のセグウェイの体験運転イベントであった。ヘルメット着用が義務付けられているセグウェイの運航で、ヘルメットもかぶらずに親子がセグウェイを乗り回していた。並行して走っている女子はヘルメットを着用している。大垣市の安全指導が手抜である。客が集れば、安全などどうでもいいからと、運行しているようだ。ドローン墜落事故の直後の話である。墜落事故などで怪我した市民のことなど知ったことではないという、市の職員の対応ぶりをみて、大垣市が抱える業病を再確認した。ヒラメは、上司の意向通り節約して金をケチれれば、市民の命などは知らないというようである。ヒラメは常に上司を上目使いで見る。

 2015年7月制定の道路交通法で、セグウェイは正式に「歩道等移動専用自動車」として小型特殊自動車に分類された。「ロボフェス大垣2017」でのセグウェイ運行は、大垣城ホール内での運用ではあるが、それでも小型特殊自動車であるのでヘルメットの着用は必要である。大垣市長と大垣市役所は、市民の安全を全く考えていない。

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4.元気ハツラツ市での路上球技用の柵の危険性

 元気ハツラツ市で、子供たち用のフットサル用でベニヤを立てただけの安全カバーなしの柵が路上に設置されている。そのベニヤ板の端が、子供が猛スピードでぶつかった場合や、何気なくベニヤ板で手足をひっかけた場合、そのベニヤ板の凸面が鋭利な刃物と同じ作用をする。面取りのしていない角材は、露失した手足の肌に傷を与える恐れがある。柵の支えの角材が危険表示をしていないので、歩行者を躓く危険性もある。

 主催者の商店街事務局の担当者は誰も安全をチェックしていない。安全など頭になく、金儲けで忙しいので、すべて業者任せである。市の職員は見向きもしない。まず大垣市には安全点検の担当部署がない。大垣市長は元気ハツラツ市で人出が多ければ、なんでもオーライである。

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.路上バスケットでの危険性を無視

 元気ハツラツ市で、子供たち用のバスケットの場がコンクリートの路上に設定されている。子供たちが競技に熱中して滑り転んで、中央分離帯のコンクリート製ブロックの頭をぶつければ、命の危険や後遺症の恐れさえある。

 多くの人が元気ハツラツ市での、このイベントの危険性を訴え、中止を要望しても、大垣市商店街連合会と大垣市は、聞く耳を持たず、金儲け至上主義で、このイベントを3年間も強行している。大垣市商店街連合会と大垣市は、子供達に対して安全配慮義務違反である。怪我人、死亡者が出たら、大垣市長の責任問題である。これの罰則法律が曖昧なので、大垣市は大手を振って安全配慮義務違反を実行している。

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.水の事故の恐れを放置

 夏の元気ハツラツ市では、駅前大通りの道路上に小さいプールを設営して、小さい子供たちを水遊びさせている。それを見守る責任は親任せである。親が少し目を離して買い物に行っている隙に、子供が水の事故を起こしたら、誰が責任を取るのか。いくら浅いプールとは言え、小さい子の事故は何があるか予測不能である。自宅のお風呂でも子供が溺れる事故さえ起きている。市の担当者は誰も監視をしていない。市の職員にとって市民の安全など知ったことではないのだ。全て業者任せで、それも数少ない業者がたまにしか見ていない。

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大垣市長は「市民の命を守る」との意識が皆無

 ヒラメの教育担当責任者は、己の保身とゴマすりで上を見るのに忙しく、子供の命など見る暇はない。大垣駅前通り周辺の住民の自治会長は、見て見ぬふり。噂によると、大垣市商店街連合会に丸め込まれているという話も漏れ聞く。子供の安全に責任あるはずの自治体連合会も黙っている。3年間もこの危険なイベントが継続されても、校長先生の会合で、話題にも上らないようだ。子供達を思う良識ある大垣の大人は消滅したのか。情けない思いである。

  

2017-12-21

久志能幾研究所 小田泰仙  e-mail :  yukio.oda.ii@go4.enjoy.ne.jp

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