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2017年11月 4日 (土)

祈りとは感謝

 祈りとは、頭を冷静にして自分と対峙し、謙虚に反省する修行である。神佛やお墓の前で祈ることは、自分に与えられた神佛・ご先祖のご恩に感謝し、ご恩に報いる決意をすることだ。生存欲だけで生きていると犬畜生レベルに成り下がる。それでは魂の成長は、感謝の域には達しない。魂の浄化があってこそ、祈りと言う行為になる。犬猫が祈っているのを見たことは無い。

 

祈りの姿勢

 お祈り時間の長い人は不幸な人が多い。幸福な人はお祈り時間が短い。それはお祈りではなく、神仏・ご先祖への感謝の報告である。不幸な人が、自分のやるべきことを放棄して神仏へのお願いに時間をかける。そんな時間があれば、公園の草取りでも、家の前の道の掃除でも人様のお役に立つことをやればよい。お祈り時間の長い人は全て他力本願である。それで幸福になれるはずがない。

 「まず自分のやるべきことをやってくれ。そうすれば10年後に利子をつけて返してあげよう」が神佛の御心である。それを「お賽銭を入れた。人様以上に長くお祈りをした。直ぐに配当をくれ」では神も仏もあったものではない。神社仏閣は、お願いをしてお賽銭を入れれば、ご利益が出くる自動販売機設置場所ではない。そう信じている人は、お祈りの時間が長い。

 仕事とは祈りである。幸福な人は、仕事をすることで、社会に貢献している。そして儲かれば税金を納めて、社会のお役にたっている。幸せな人は奪う人ではなく、与える人である。祈りの長い人は、棚ぼたを信じて口を空け、待つだけの人である。

 

お祈り教の我儘

 図1の老女のお祈り時間は約20分間余と長い。ご丁寧にお寺の入り口に自転車を置き、入口を封鎖してのお祈りである。お参りにくる人に迷惑になるので注意したが、「片方が空いているので問題ない」と意地になって反論する。人様へのご迷惑は、己のお願いの祈りに没頭して眼中にはない。こうなっては仏様もお手上げだ。自己の祈りが利己的に埋没すると、祈りという行為が社会への奉仕という意味から乖離してしまう。社会の一員としての祈りであってこそ、真の祈りである。新興宗教団体の祈りも、同じようにその宗派だけの利益を願う。哀しい祈りである。

 その後、彼女は隣の八幡神社でも同じように長時間のお祈りをしていた。ここでも東口鳥居下のど真ん中に自転車を置いての他人迷惑なお祈りである。南園堂の不空羂索観音様や大日入来様、延命地蔵菩薩様だけでは心もとないので、八幡神宮の天照大神様にも二股をかけている。二股をかけられては、観音様も気を悪くするでしょうに。祈りに没頭すると、回りが見えなくなる。オウム真理教徒も、同じようであった。

 

「苦 → 滅」のショートカットキー

 人のことは笑えない。己が勤めるブラック的な「〇〇利益万能教会社」への盲従で、反社会的行為に手を染めていないだろうか。グローバル経済主義教に染まり、己の企業の利益だけを追求する経営をしていないだろうか。最近は有名企業の不正事件が後を絶たない。それは、成果主義の過大なノルマから逃れる為、正しい研究開発工程や正規の検査工程、正規の材料選択の工程(苦)を放棄して、苦労のない手抜き・データ改竄・不正で、目的を達成(滅)するというショートカットキーを使っているからだ。

 老女の姿から自らも反省をしたいもの。信心なきお祈りは、ショートカットのお守りのお札を貼るようなもの。フォルクスワーゲンの排ガス不正、日産の検査不正、近隣諸国の技術パクリなどは、拝金主義教が生み出した。

 

祈りとは修行

 祈りとは自分を謙虚にするための修行である。謙虚と感謝の気持ちがなければ、周りが見えなくなる。大義名分に囚われると、見えるものも見えない。あれども見えず、である。

 エネルギー総量一定の法則で、自分だけ幸せのエネルギーを独占すると、他の人は不幸になる。その落とし前はどこかでせねばならぬ。家系図で見えた結論は、その落とし前を子供や孫が被っている。人を不幸や苦労を自身が背負ってこそ、徳ある人の道である。

 他力本願の祈りとは、全能の神仏を超越し、ニュートン法則や相対性理論の宇宙法則を捻じ曲げて、己のためだけの欲望を願う行為。(アンブローズ・ビアス著『悪魔の辞典』)

 

 図1 お寺の入り口を塞いでの祈り

 図2 神聖な鳥居のど真ん中に自転車を置いての祈り

 図3 般若心経 馬場恵峰書

    無苦集滅道は般若心経の真ん中に書かれている。

 図4 苦集滅道とはPDCA

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2017-11-04

久志能幾研究所 小田泰仙  HP: https://yukioodaii.wixsite.com/mysite

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