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2017年11月 7日 (火)

「ロボフェス大垣2017」で人命軽視を展示

 大垣公園にドローンが墜落した事故が起きた時刻14時5分の約50分後、私は散歩の途中でその会場に通りかかった。その時は、ドローン墜落事故の件は知らず、夕刻のニュースで初めて知った状況である。

 大垣公園の広場はその事故の後始末の雰囲気もなく、事故での安全再確認を行っている気配もなく「98式イングラム」をダシにして小さい子供を集めて、盛大に行事が行われていた。その「98式イングラム」の収納作業で、特装車作業班が、ヘルメットもかぶらず作業をしていた。安全上で、ヘルメットは必要である。着用不要という安全基準があるのか?

 ドローン墜落事故が起きたのだから、本来なら、現在行っている行事を中断して、安全の再点検を実施するのが安全管理部署の基本の行動である。その安全管理部署が大垣市には存在しない。ゴキブリが1匹見つけたら、他に百匹のゴキブリがいると思うのが、危機管理の常識である。トヨタグループでは、そうやって車の乗員の命の安全確保、職場の安全確保を最優先で仕事をしている。大垣市行政は、安全より行事遂行、節約が最優先のようだ。

 ハインリッヒの法則は、労働災害における経験則の一つである。1つの重大事故の背後には29の軽微な事故があり、その背景には300の異常が存在する。「ロボフェス大垣2017」や元気ハツラツ市で見た人命軽視の展示のオンパレードは大垣市行政の業病の深さを物語っている。大垣市行政の不始末の責任は大垣市長に帰着する。

 

セグウェイ運行での安全無視

 大垣城ホールの中で「ロボフェス大垣2017」が開催され子供達で盛況であった。ロボット技術に子供達が興味を持つために、イベントを開催する事は素晴らしい。しかし、そこで目にしたのは、安全無視のセグウェイの体験運転イベントであった。ヘルメット着用が義務付けられているセグウェイの運航で、ヘルメットもかぶらずに親子がセグウェイを乗り回していた。並行して走っている女子はヘルメットを着用している。大垣市の安全指導が手抜である。客が集れば、安全などどうでもいいからと、運行しているようだ。ドローン墜落事故の直後の話である。墜落事故などで怪我した市民のことなど知ったことではないという、市の職員の対応ぶりをみて、大垣市が抱える業病を再確認した。ヒラメは、上司の意向通り節約して金をケチれれば、市民の命などは知らないというようである。ヒラメは常に上司を上目使いで見る。

 

セグウェイは「小型特殊自動車」

 2015年7月制定の道路交通法で、セグウェイは正式に「歩道等移動専用自動車」として小型特殊自動車に分類された。「ロボフェス大垣2017」でのセグウェイ運行は、大垣城ホール内での運用ではあるが、それでも小型特殊自動車であるのでヘルメットの着用は必要のはずだ。

 中部国際空港の展望台で、セグウェイに乗って巡回する警備員でも、ヘルメットを着用している。ネットでセグウェイに乗っている人たちの写真を検索しても全員、ヘルメットを着用している。

 2012年2月9日には観光ツアー社会実験として、つくば市内の観光名所を巡る企画が実施された。この実験には、16歳以上で普通自動車免許か普通または大型の自動二輪車免許の所持が必須条件である。

大垣市長と大垣市役所は、市民の安全をどのように考えているのだろか?

 

大垣市長の市民の命を守る責任に対する認識

 大垣市行政機構図(平成29年4月1日現在)を見ても、大垣市民の安全を統括管理すると思われる組織がない。末端の組織の中に「生活環境部 生活安全課(防災政策、防災安全、交通安全、公共交通、駐車場、消防防犯)」があるだけである。これは総合的に市民の安全を統括する部署ではない。イベント等でのドローン墜落事故もセグウェイの安全対策に責任を持つ部署がどこか不明である。「(防災政策、防災安全、交通安全、公共交通、駐車場、消防防犯)」の文字も一番小さいフォントで印刷されており、まるで読んで欲しくないとの意思表示のようである。組織図上で、生活安全課の記載された16階も上部に、「庁舎建設推進室」の部署が記載されている「生活安全課」の上の欄には、鶴見祭場、勝山祭場、かみいしづ祭場が位置する。「生活安全課」は祭場の真下に位置するのだ。大いなる皮肉である。大垣市行政機構図に、大垣市長の市民に対する思想が透けて見える。組織図で見る限り、大垣市長は、市民の安全には重きを置いていない。それよりも新市庁舎建設が大事なのだ。

 まともな企業であれば、セキュリティ業務室や保安業務室は、人事部の直下に置かれて、組織上で上位の位置づけである。トヨタグループではそれが常識である。トヨタグループの主要企業が集っている刈谷市の行政機構図では、上から企画財政部、総務部があり三番目に生活安全部が位置づけされ、その部署の中に危機管理課が設けられている。

 それが大垣市の政機構図ではずっと下位の位置づけで、目を凝らさないと、どこにあるか分からない有様である。それが大垣市長の考えの全てを表している。大垣市の組織を見れば、大垣市の未来が見える。今の大垣市長に、大垣市民の命と未来は預けられない

 

図1 大垣公園 2017年11月4日15時53分

図2 大垣公園 「98式イングラム」の収納作業 ヘルメット未着用

図3 大垣城ホールの中で「ロボフェス大垣2017」

図4 セグウェイ ヘルメット着用 2017年11月4日

図5 ヘルメットなしのセグウェイ運転

図6 ヘルメットなしの親子のセグウェイ運転

図7 中部国際空港展望台でセグウェイ 2017年11月1日

図8 大垣市行政機構図(平成29年4月1日現在)

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2017-11-07

久志能幾研究所 小田泰仙  e-mail :  yukio.oda.ii@go4.enjoy.ne.jp

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