墓面の揮毫 2/4
2015年8月24日に恵峰先生に書いて頂いた書体を松居石材さんに検討してもらったところ、石材に字を彫った後に、島になる石の部分に薄い所があり、掃除等で力がかかると石が欠ける恐れがあるという。そのため再度、先生に揮毫してもらうため2015年9月11日、長崎に出かけた。途中、広島に寄ったためもあり、新幹線で8時間の旅となった。
字体の修正以外に、小田の「小」の字がお互い納得できる字体のたどり着くまで5枚ほどの試行をすることになり、大変な仕事となってしまった。上の字数が少なく、段々と多くなっていく書体の字は、字のバランスが難しいという。まだ「小田」は良いが、「一瀬」などは最高の難しさとか。
最後の最後に先生も私も満足できる字体となった。字体には好みがあり、書く人と見る人で好みも別れ、碑文の字体は一番難しいという。結局、先生も2日かかり、私も4日をかけての墓面の字体作成の仕事となった。だから普通の書家は、碑文の字は嫌がって書かないという。一般的なパソコン文字の書体にすれば、こんな問題は起きなかった。石屋の松居さんも、手書きの書体の墓面作成は10年ぶり以上のことだと言う。恵峰先生の書の墓面となって、ご先祖さまも喜んでおられると思う。そんな手間のかかる慕面の字の作製に、快く多くの時間を割いて頂いた恵峰先生に感謝です。
図1 下書き
図2~3 揮毫をされる馬場恵峰先生 2015年9月11日
図4 2015年8月24日(右)に対して、9月11日(左)を書いて頂き、左の書体に決定した。左に決定
図5 試行錯誤での揮毫
図6 最終的に決定した書体
久志能幾研究所 小田泰仙 HP: https://yukioodaii.wixsite.com/mysite
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