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2017年8月 4日 (金)

インプラント 23(論理的解釈)

3.23 論理的解釈

 日本の歯科大学で、インプラントの講座があるのは4校のみである(2007年現在)。そのせいか、インプラントの講習は米国の大学に行って受講する場合が多いようだ。私の担当医も米国で研修を受けて、そのことを誇らしげにガイドブックに記載している。その理由は、米国での需要の関係と日本で正式に認知されていない事情による。そのせいで、日本では大学関係からではなく、開業医の世界からインプラントが始まった。医療関係でこういう例は珍しいようだ。

米国事情

 米国では、肥満と悪い歯並びが出世に大きく影響するため、特に審美観の関係でインプラント技術が発達した。10年後の健康の問題より、今の金儲けのために、美観が重要である価値観が横行している。これはグローバル競争の影響である。グローバル競争での価値基準はマネーであり、日本のそれとは異質である。それが日本の大学は、インプラント講座校が4校のみであることで、マネー偏重の思想には汚染されていないといえる。

 インプラント絶賛の洗脳本では、日本の大学にインプラント講座があるのは4校のみであると嘆いている。見る価値観によって、その数値の意味づけが大きく異なる。インプラント教に染まった著者だからこそ、嘆くのだろう。こんな本の意見に騙されてはいけない。自分の頭で何が正しいかを見極めないと、自分の体の経営はできない。これは人生観の問題でもある。

下記の事実をどう解釈するか?

 日本の歯科医のインプラント実施は3%のみ。

 日本の大学に、インプラント講座があるのは4校のみ。

 インプラントは健康保険が適用外(国は医療とは認めていない)。

 米国は、悪い歯並びでは出世に響くのでインプラントが流行

 

価値観の差

ニーチェの言葉There is no facts, only interpretention.

「世の中に真実などはない,あるのは解釈の違いのみ」

 その人の価値観による見方で、正逆反対の結論に至る。価値観とは、その人の人生観である。インプラント自体は1960年代に開発されたが、現在の本格的なインプラント技術が完成して日本にも本格的に導入されたのは、2000年代に入ってからである。これはまだ10年余しか経っていない新技術である。インプラントを装着して、体への影響は死ぬまで数十年にも及ぶ。つまり、長期間にわたる体への影響のデータがなく、安全性の検証が終わっていない。現在は、治療側・機器製造メーカ側が数多くのデータを欲しいがために患者はモルモット扱いをされているようだ。それ故、インプラント専門医はインプラントを過度に推奨していると推定される。私は、この状況であえて危険な手術を受けるに値するか、リスク管理上で慎重な対応が必要と判断した。

 

図1 6M2Qは後藤悦夫先生が唱えた説である。

 全ての事象は6M2Qで構成されている。6M2Qとは、human,time,room,material,money,method,quality,quantiyである。その二つの事象がぶつかり合って事件が起きる。それをどう解釈するかは、個人の人生観や国の価値観による。ハーレムでスリの被害に会えば、盗られた方がバカで、取った方は「よくやった」をハーレムの住民から褒められる。

 図2 ミシガン大学セミナーOBのテクニカルライティングの勉強会

    後藤先生が講師   東京外国語センター名古屋(丸善ビル)にて

    2004年12月11日

 

2017-08-04

久志能幾研究所 小田泰仙  HP: https://yukioodaii.wixsite.com/mysite

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