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2017年7月 1日 (土)

知的生産活動としての生活VA

 夢の実現と心豊かな人生をめざして

   低成長時代の生活リストラ手段

   知的生活のための節約・投資手法

   心豊かになれない日本人への諫言

 

 VAとはvalue analysis価値分析の頭文字で、今行っているプライベートの生活経費を見直して、無駄を省くことが「生活VA」です。それを1年間に積み上げて計上する。生活の工程を効率化してその時間をお金に換算する。トヨタでは1秒1円で原価コスト計算をする。

 

生活VAの目的

 時々新聞で、日頃極貧生活をしていた老人が亡くなった後に、莫大な遺産が床下や、銀行から発見されたことが報じられる。これを見ると、何のために生きていたかと、人ごとながら呆れてしまう。目的なき人生では悲しい。目的なき節約は、節約が目的になって、上記の愚かな結果を招く。人によって価値観が違うので、使い道をとやかくは言えないが、貯めるだけが目的の節約は悲しい。

 お金は人生の目的ではないが、智慧を得るためには軍資金は必要です。お金は多くの経験をするため、失敗や痛い目をあう為の道具です。行動しない限り知恵は身につかない。お金を大事に使って旅立たせると、お金がお友達をつれて帰ってきてくれる。

 

生活VAの実践

 自動車業界には、コストダウン活動としてVA制度がある。そのVA制度では、提案したコストダウン額の半分が、2年間にわたり提案元に還元される。そして、その分の納入価格は下げられる。VAでコストダウンをしなければ、強制的な値下げ要請で値引きをされるので、必死にVAをしなくてはならない。一つの部品で5円のコストダウンでも、年間500,000個生産すると、2,500,000円のお金になるのだ。

 この仕事のVA活動の水平展開として、自分の生活をVAすると効果が高い。そして節約した分で贅沢をする。節約項目は一年分の効果のみを計上する。それ以降は(あと永久に・・・)その分の生活費が節約されるシステムである。自分の生活費の中で、1日の100円の経費節約をすれば、年間で36,500円の儲けとなるのです。それが10年間も続けば、365,000円の儲けです。

 だから次々と、新しいVAのネタを探さなければならないので、しんどい。それがトヨタの日々改善の制度である。だから褒美としてその分は使うことにしている。そうでないと続くまい。これを永遠に続けると生活費は限り無く0に近づく。そのうちマイナスの値になって、カスミだけを食べて生活できるようになる・・・・?

 最近は先に贅沢をして、慌てて泥縄式に節約するので反省であるが、それでもその分をノルマとして節約を実行して生活を改めれば、その後はその項目分の経費、生活費が減る。

 リッチになるまでは、ひたすら我慢が大事です。清貧とは忍耐ある知的生産活動です。「肉体労働は1両の価値だが、頭脳労働は10両の価値がある」と言ったのは江戸時代のさる豪商の言葉。

 

 当時(1990年頃)は、残業手当てが10万円以上もあり、バルブ経済の影響で生活費が水膨れしていた。1991年にバルブが崩壊して、残業手当がゼロになり、必要に迫られて生活リストラに取り組んだ。下記は、私が1993年の4月から1994年3月の一年間で、生活VAの手法で節約をした実績値です。毎回、節約の対象、節約目標額を決めて実行していた。一部、贅沢品の支出はあったが、工夫した分は生活がスリム化した。生活VAを自画自賛している。

 

    反〇金+レ〇〇購入用VA   57,820円

    アンプ購入用VA      250,742円

    CDプレーヤ購入用VA   360,078円 

    絵画購入用VA       413,069円

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            合計  1,081,709円

 

 

このエッセイの構成

 本田宗一郎氏の表現を借りると、我々は「坊さんの手に渡るのを少しでも先送りするため、必死に時間を稼いで」生きている。そのために、時間そのもの節約とそれを可能にする健康は欠かせない。ビジネス社会で人並み以上のお金を貯めるには信用は欠かせない。またそれを支える軍資金も重要である。その4つの要素は教育から生まれる。あとは付録である。

 この理由で、この書は節約を達成するための戦略として、第1部にC1時間、C2健康、C3教育、C4信用金庫の順で記述した。その後に生々しい戦術として、第2部にお金の運用、買い物、生活費、車の経費等の順で記述した。第3部の最後に、この生活VAの背景としての私の考えを、エッセイとして記述した。

 先行して「C4 信用金庫」のエッセイをブログ発表しました。節約の最大要素は、信用の獲得です。これを第4章として位置付けした。人生で付加価値を生むためのカンバンが信用である。

 

 本書は、欧米の論文の書き方、つまり科学工業英語、新聞記事の展開の方法で記述してあります。つまり、最初の冒頭にその要点、結論を書き、それを具体的に展開する記述です。また各章も最初に原則・総論から具体的な事例へと展開しています。逆ピラミッド構成とも言えます。

 別の表現をすると、最初は格調高く、後ろの章にいくほど段々と具体的に生々しく・・・です。ですから、今日の生活にも困っている人は、第6章くらいの生々しい部分から始めるのがお勧めです。

 

 今回のブログで20年前に記述したエッセイを、順次見直して掲載していきます。これで皆さんも生活を見直して、浮いたお金で贅沢をしてください。無駄を省いて贅沢を、が私の生活モットーです。

 

久志能幾研究所 小田泰仙  HP: https://yukioodaii.wixsite.com/mysite

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