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2017年7月30日 (日)

冥途行き切符をドタキャン

 2016年10月12日、体調不良の真因を検証してもらうため、セントレアから西方浄土の方角(九州)に向けて飛び立った。当日予約のシニア割引で極楽席(プレミアムシート)を予約しようとしたら、季節柄、乗客が少なくなったので、機材が小型のB737-500に変更されてその設定がなかった。シニア割引では、全国どこでも一区間15,000円である。少しの追加料金で極楽シートに座れると思ったが叶わなかった。

冥土行きのご挨拶

 搭乗手続きが終わり、時間があったので我が師に「ちょっと西方浄土の方へ行ってきます。極楽席が入手不能です」とメールを打ったら早々に返信(図1)があった。師に言わせると、極楽に行く人は皆無に近いので、向こうに行っても誰もいなくて寂しいという。極楽ではやることもなく、孤独で死ぬほど退屈だが、地獄なら仲間も多く、話し相手として地獄での修行の苦労話にも話の花が咲き、退屈しないという。極楽に行けば、間違いなく惚ける。地獄であっても、みんなで苦労を共にすれば、よき経験になる。間違っても「極楽行き」などに乗らないようにとの師の忠告である。「地獄へ行けって??」か

 真島消化器クリニックの診察

 久留米市の真島消化器クリニックで、血管に付いたプラークの厚みを測定した。その結果、かなり危険な状態であることが判明した。全身の8か所の血管の状態を検査して、一部の血管は血管年齢80歳と判定された。いうなれば余命5年である。今から余命5年を40年にするための食事療法、生活改善をする。今のままの生活・食事習慣では、冥途行き特急切符を携帯していたみたいだ。その冥途行き切符をドタキャンして、帰路は地を這うように新幹線で名古屋に帰り着いた。

 真島消化器クリニックでは、看護婦からの事前問診が20分、真島院長によるエコー検査が20分、資料説明が10分、エコー検査の写真8枚と食事療法の資料40頁を受け取った。診断のエコー写真まで提供されたことに新鮮な驚きを感じた。全身8か所の血管のプラーク厚みを測定するのは全国で、真島消化器クリニックしかない。私は死んでも?いいから、己の健康管理のためなら全国どこへでも飛ぶつもりです。それで病気の真因がわかれば安いもの。この医院には国内全国各地は勿論、海外からも、診察に訪れる人が多いという。タクシーの運転手が言っていた。地獄でよき医師に巡り逢った。滑り込みセーフで昇天できそうだ。

 今まで診断を受けていた病院とその診察対応を比較して考えさせられた。普通の受診では待ち時間1時間、問診3分、医師は患者本人をあまり見ず、パソコン画面を睨めっこしていることが多い。あと「薬を出しておきます」で終わりである。薬で治すことが最優先で、生活習慣や食事療法の指導には及ばない。その結果、私の場合、毎月の薬代が、1万円を超えている。

 薬漬けの日本

 その薬も長年使われて副作用の少ない安全で安価な薬ではなく、高価で安全性がまだ定まっていない新薬を処方されることも多い。製薬会社も新薬開発で膨大な研究開発費をつぎ込んでいるので、元を取るため医師に取り入って新薬を使わせる工作をしているようだ。病気は、薬の処方や手術で治療としている。食事療法や生活指導で薬を無くすような指導はない。それでは、医院の売り上げも、製薬会社の売り上げも減ってしまう。日本では薬漬けにして儲ける体制が出来上がっている。その結果、40年前は10兆円であった日本の医療費は、現在40兆円に膨れ上がっている。患者は減らず、むしろ増えている。なにかおかしい。

 父は86歳で胃の全摘手術を受けたが、その1年後、亡くなった。医師の勧めるままに手術を受け入れたが、却って苦しめただけだと今にして後悔している。86歳の高齢癌患者に、胃の全摘手術が本当に適正な治療であったのか、手術万能主義の現代医学に疑問を感じている。

 

図1 我が師からの茶目っ気あるメール

図2 B737-500 2016年10月12日 セントレア

図3 離陸 西方浄土の方向に向けて離陸(昇天?) セントレア

 

2017-07-30

久志能幾研究所 小田泰仙  HP: https://yukioodaii.wixsite.com/mysite

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