人はなぜ死鬼衆になれるのか 原爆投下
大垣市の被爆地の慰霊碑
毎朝、散歩の帰路にある大垣市の被爆地の慰霊碑に手を合わす。ここに来ると日本の歴史と現代の状況を感じる。犠牲の方のご冥福を祈り「二度と日本がこんな目に遇わせられないように、我が国力を上げるべく貧者の一灯として精進します」と祈っている。この被爆の慰霊碑は、水門川沿い大垣藩藩校敬教堂跡の孔子像の南側に、ひっそりと建つ。昭和20年7月24日、米軍が広島に原爆を落とす前、原爆投下訓練のため、大垣市の県農業会大安支所に模擬原子爆弾を投下した。建屋は一瞬に吹っ飛び、職員は肉飛び骨散して10名が悲惨な最期を遂げた。その慰霊碑の真横に、母校の大垣北高「発祥地の碑」が建っている。
投下された模擬原子爆弾は、広島と長崎への原爆投下訓練のため、米軍が作った重量4.5トンの爆弾で、長崎に投下されたプルトニウム原爆と同形で“パンプキン爆弾”である。昭和20年7月20日~8月14日の間、全国各地に約50発が投下され400人以上が犠牲になった。平成3年、愛知県の市民グループが、機密解除された米軍資料からこの事実を発見した。
原爆投下はジェノサイド、戦争犯罪
原爆は、日本人が白人なら絶対に落とされなかったはずである。国際法上でも原爆投下はジェノサイド(皆殺し)であり、その後ろめたさ故、米国の戦後の支援がある。ジェノサイドを認めたくないため、米国内では下手にこの問題を掘り起こすと旧軍人会からヒステリーじみた感情で袋叩きにされる。1997年、エノラゲイ展を企画したスミソニアン博物館長は、辞任に追い込まれた。その経緯を米国スミソニアン博物館で目にした(1997年夏)。原爆開発は、巨額の政府予算に目が眩んだ拝金主義の鬼子であった。
広島と長崎への原爆投下は「爆発実験」扱い
原爆の効果を検証するため戦略爆撃から除外されていた広島と長崎に、米軍は二種類の原爆を投下した。ウラン型とプルトニウム型の原爆を比較するためである。米エネルギー省の出版物中では、広島と長崎への原爆投下は「爆発実験」の項に分類されている。この原爆開発の真の目的は、金儲けである。今のグロ-バル経済主義(拝金主義)を生んだ鬼子の親でもある。モルガン、デュポン、GEがこの原爆開発を担当して、ウラン型原爆は先に完成していた。プルトニウム型原爆の完成を待って、2つの原爆を爆発実験として投下した。万全を期すため、訓練として模擬原子爆弾を50発も投下した。戦争を早期に終結する目的だけなら、プルトニウム型原爆の完成を待つ必要もなく、2種類もの原爆の爆発実験をする必要もなく、50発の投下訓練も不要である。当時、日本は戦争続行には資源が枯渇して、遅くとも昭和20年11月には降伏することが明白であり、それは日米両政府の周知の事実であった。原爆投下に反対であったルーズベルト大統領は、巨悪の都合に合わせるが如く、直前に愛人宅で怪死した。その死の状況は不自然である。そして後任の操り人形であるトルーマン大統領が、原爆投下の命令を出した。
原爆開発は金儲け
原爆や原子力関係の商売は儲かる。それは2011年、福島第一原発事故の報道で明らかになった。原爆開発には日本の国家予算の3倍の金が使われた。その金は何所につぎ込まれ、誰が潤ったのか。金に目が眩むと人は死鬼衆になるのか。金儲けのためには、民族抹殺などは厭わないアーリア人のDNA が脈々と続いていた。彼らにとって、非白人は人間ではないと認識し、残虐の限りを尽くしたことは歴史が示している。民族皆殺しなどの業は日本人には無縁の世界であるが、そんな鬼が身近に存在する現実を認識しないと身の破滅である。歴史に学ばない民族は滅ぶ。きれいごとばかりでは殺される。
スミソニアン航空宇宙博物館にあるFAT MANの説明パネルは、素っ気無い表現である。「My God,it worked. この開発が政府、大学、科学者、民間企業の総合力で遂行され、この開発のために膨大な計算がされ、その必要からコンピュータが開発された。そしてこの原爆はメキシコで実験され、長崎に投下され7万人の犠牲者を出した。第2次世界大戦はこの原爆とコンピュータの2つのブレークスルーを生み出した」(小田泰仙訳)
コンピュータの開発目的は、原爆開発のためで、死鬼衆を生んだ血糊がついた武器である。テクニカルライティング的にみると、この文章は受動態で書かれ、原爆の責任の所在を曖昧にした書き方である。
図1 被爆の碑と大垣北校発祥の地記念碑、向うに敬教堂跡と孔子像
図2~3 被爆の碑
図4~6 B29エノラ・ゲイ号展(スミソニアン博物館 1997年筆者撮影)
図7 リトルボーイ 広島に投下した原爆
図8 ファトマン 長崎に投下した原爆
2017-07-08
久志能幾研究所 小田泰仙 HP: https://yukioodaii.wixsite.com/mysite
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