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2017年7月13日 (木)

ピアノ騒音殺人事件 6/12(改定)

日が暮れてピアノが猫足でやって来た

 人生も還暦を過ぎ、第二の人生が回り出した頃の2014年3月23日、製作に半年を要した特注のチッペンディールのピアノが、日の暮れた夕刻に猫足でやってきた。チッペンディールのピアノは、ヤマハ中部地区の販売30年間で、私の分を含めて2台のみの珍獣である。40年来の夢であった猫の鳴音が響いた。

 ピアノを購入して3年経った現時点(2017年7月)で振り返っても、良き選択であったと思う。それも猫足のピアノの選択は最高である。ヤマハの本社工場を見学した時(2013年12月17日)、案内の西郷さんが、「チッペンディールのピアノがラインで流れていると思わずワクワクする」といっていた。持つべきは、何か他とは違う付加価値を持つモノである。万人が持っているものを持っていても嬉しくはない。

『定年後』の幸せ

 それを考えると、己は他の人と違うどんな付加価値を持つのかが問われる。楠木新著『定年後』では、定年後の人は80%が不幸であるという。多くの人が、会社に残れば生前火葬で魂を燃やされ、家に帰っても妻が家の実質的な主で、夫に書斎もなく居場所がない。せいぜい図書館や書店をうろつくしかない。定年後でも元気な人は、せいぜい15%だという。昔の上司から、「古希になったので、今年から年賀状を止めます」との連絡が来ると情けなくなる。きっと幸せではないのだろうと推察してしまう。そんな人とは、こちらからお付き合いをお断りである。たとへ幸せでなくとも、幸せのふりをしていれば、幸運が舞い込む可能性があるが、最初から不幸せとして行動すれば、来るのは貧乏神だけだ。その観点で、己がその80%に入っていないと自負できるので、幸せだと思う。幸せかどうかはあくまで、自己評価である。目立たなくても、有名でなくても、キラッとする何かを持って、それを磨き続けられるならば幸せである。それを死ぬまで続ければ生涯現役である。

 

図7 猫が夕暮れにやってきた

図8 搬入

図9 部屋の中で梱包を解く

図10 こだわりのあるペダル部

図11 猫足

図12 ウォールナット製のチッペンディール(猫足形式のピアノ) ヤマハカタログより

図13 書庫兼ピアノ室に納まったピアノ。部屋はこだわりを持って畳敷きにした。天井も音響効果を考慮した構造。ヤマハ販売課長小川氏と調律師の岡本氏(右)。岡本氏は、ベーゼンドルファーを調律できる数少ない一人。名古屋では2名のみ。

 

2017-07-13

久志能幾研究所 小田泰仙  HP: https://yukioodaii.wixsite.com/mysite

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