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2017年7月28日 (金)

天声人誤の竹槍が14万人を殺した(2/4)(改題・改定)

経済学の理論で政府の金融政策を検証

 どんな商売でも、売上げの絶対額がなければ利益は出ない。100の売り上げと1000の売り上げでは、利益率は違うが、100の売り上げの商店は、絶対に1000の売り上げの商店の利益に負ける。日本の経済を一つの企業の財務として考えると、GDPはその企業の売り上げ(総需要)に相当する。

日本GDPとは日本の国内総生産。誰が生産したかは問わない。

GDP=GNP-海外からの所得+海外への所得

日本GNPとは、日本の国民の生産。何処で生産したかは問わない。

総需要=実際のGDP

総供給=潜在のGDP

 

GDP= 民間最終消費支出(消費に相当)

    +政府最終消費支出(消費に相当)

    +国内総固定資本形成(投資に相当)

    +財・サービスの輸出(貿易収支に関係)

    -財・サービスの輸入(貿易収支に関係)

 

 GDPはその企業の売り上げ(総需要)に相当する。売上が減れば、利益が減って当たり前。緊縮財政とは、金を使わず、将来の投資もしないので、金が出ていかないが、総売り上げが減り、会社は貧乏になると同じ。それが20年も続いたのが現代の日本である。本来、日本で消費されるべき金額(設備投資、つまり国内インフラ整備)が減らされ、その金が全て外国に持って行かれた。外国が豊かになり、日本が停滞して当たり前。

GDP減少の弊害

 日本の賃金が高く、海外が安いからと言って海外に工場を移転すれば、国内の雇用が無くなり、日本の生産額が減り、企業が国に納める税金が減り、地方都市の税収がへり、国内のインフラ整備が出来なくなる。国内のインフラとは、企業の生産を効率化する手段(高速道路、輸送インフラ、ITインフラ等)である。それができなければ、競争力がなくなるので海外との競争に負ける。今は負けるべくして、負けている。そのため一時は世界を席巻した家電製品が全滅である。海外移転して海外で作った製品が、日本に流れ込んで、日本の首を絞め、日本のGNPを減らしている。つまり日本丸商店の売り上げが減るわけで、それで給与が上がれば、経済学の「理」が合わなくなる。だからこの20年間、日本人の供与が上がらない。つまり政府の経済政策が間違っている。日本人が政府とマスコミに騙されて論理的に考えられなくなったためである。その代表的な言葉が「失われた20年」である。受動形の表現は責任を曖昧にする。誰が失わせたのか? その犯人は誰なのか? 果があれば、必ず因がある。論理的に考えれば、結論は出るはず。その結論が出ては困る人がいるから、曖昧にしてきたにすぎない。その陰でうまい汁を吸っている人がいる。

GDP減少の弊害の事例

 例えれば、学校で勉強(自己投資)をしなれば、絶対に成績は上がらない。一度投資をしても時間とともに劣化していく。順次設備更新が必要である。近隣諸国、アジアの諸国が国のインフラに設備投資をして、交通インフラ、航空機インフラ、港内インフラを整備して、国の生産効率があげれば、日本が負けて当然である。

 私が馬場恵峰師宅を訪問するとき、利用している福岡・長崎間の在来線特急は、複線でなく、いまだ単線を走る。あまりに所要時間がかかるので、大抵は航空機を使う。国は言い訳をして新幹線整備を遅らせている。これで九州を始め日本の経済を活性化しようと言っても無理がある。成田国際空港は隣国の効率的なハブ空港に負ける。港湾設備も古くなって、その荷役が隣国に取られている。そんな貧弱な設備でどうして隣国に勝てるのか。単に設備投資をしなかっただけ。コンクリートから人への投資との旧民主党の「美しい戯言」に騙されて、必要な設備投資を怠っただけの理由である。非武装中立と同じ類の戯言である。ソフトを充実するには、まずハードの整備が必要である。自分に投資をせず、成長した人間はいないと同じである。息子を大学にやらず(設備投資なしで)、金儲けをと言うが如し。

 

2017-07-28

久志能幾研究所 小田泰仙  HP: https://yukioodaii.wixsite.com/mysite

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