ターゲット・メールを発射(改定)
貴方のメールは読まれていますか?
読まれずに無視されていませんか?
ウィーン楽友協会に大垣市の代理人として表敬訪問することが、渡欧の1週間ほど前に急に決まった。その当時、「馬場恵峰卒寿記念写経書展写真集」の出版最終確認と修正で忙殺されていて、楽友協会にアポイントを取る時間余裕がなく、そのままウィーンに向かった。今にして思うと何と愚かなことかと。訪問目的が、美術館目録の寄贈と表敬訪問だから、行けば何とかなる思っていた。
ところが現地の楽友協会の窓口で、けんもほろろに対応された。窓口女性から「楽友協会の要人にe-mailを送って面会予約をして下さい」である。もしPCを持っていなければ対応不能である。慌ててベーゼンドルファーのマネジャーに、楽友協会の誰にメールを打つべきかをネットで調べてもらった(ドイツ語のHPだから理解不能)。ベーゼンドルファーのマネジャーでも、楽友協会は、敷居が非常に高く簡単には面会予約は取れないとか。ベーゼンドルファーは楽友協会ビルの単なる店子の一つであると。幸いiPadを持ってきていたので、ホテルに戻りメール文を作成した。
前職の会社では、室長、部長、役員には日に100~200通の大量メールが舞い込む。楽友協会には世界中からメールが舞い込むはずだ。その洪水のようなメールの山から優先して読んでもらうには、相応の文書技術が必要である。それは英文も和文も変わらない。聞けば、楽友協会は日本のお役所以上に敷居が高く、返信は2,3週間後が普通だとか。
そこで役立ったのが今まで磨いてきた和英の文章作成技術とテクニカルライティング技法である。メールでどう書けば、相手がすぐ開封し、すぐ返事をもらえるかを考えた。それを考えた題名と文面にして、面会依頼のメールをホテルから発信した。そのメール題名には話題と目的を入れ、文章の冒頭には単刀直入に要件と、文面には日本,大垣、表敬訪問、守屋多々志美術館の図録寄贈、ブラームス、戸田伯爵夫人、六段のキーワードを散りばめた。小さな辞書しか持ってこなかったので少し苦労をしたが、半日程ホテルに籠ってメール文作成に集中して推敲を繰り返した。そのため予定のウィーン市内観光を諦めることになった。
返信は半分諦めていたが、2日後に返信が来たのには驚いた。それも亡くなっていると聞いていたビーバー・オットー博士からである。これには心底驚いた。やはり現地現物で、現場に来ないと分からないことがある。
送るメール文に、受信者の心に響く言霊があれば、反応がある確率が高い。お役所的な文面や教科書的な文面では、ダメである。相手の心の中心に突き刺さるメール、それがターゲット・メールである。これは全てのメールで心がけたい要点で、私が前職在職中に、10年間ほど技術者教育で指導してきた。1994年のミシガン大学夏季セミナー受講(自費110万円)が、23年後のウィーン訪問で役立った。自分への投資は、後年に必ず得るものがある。
ターゲット・ストロークとは、相手の心にグサッと突き刺さる言葉や行動、愛情の表現を示すことで、心理学用語である。【ターゲットとは、丸い標的に矢を射ること(Longman Exams 英英辞典)】
退職後、自宅に舞い込む無頓着・無邪気なメールの山を見て、ITマナーの欠如に呆れている。これでは中小企業の経営として無駄が大きく、経費増の原因になっているのではと危惧している。直接に言うと角が立つので、正しいメールマナーの一部を公開します。下図は前職で、新人教育に使った資料の一部です。
久志能幾研究所 HP: https://yukioodaii.wixsite.com/mysite
ターゲット・メールは米国での事例紹介としては良いが、これを日本でどの様に活かすはヒントがあると良いですね。
「心に響く」はなかなか難しい。最低限はこれを心掛けましょう。詳細はPPTを読んで、となると親切かな。
投稿: 宮本 謹彰 | 2017年6月10日 (土) 23時17分