南海トラフ大地震を疑似体験、百聞は一震に如かず
先日、静岡県地震防災センタの見学会があり、地震対策を実体験した。百聞は一見に如かずである。
説明員の方から、最初に大陸のプレートの構造、その動きで地震が起きる原理を説明された。南海トラフ大地震は周期100~150年ほどで繰り返し起きている歴史がある。地震は自然界の自然現象である。
静岡県地震防災センター
説明員が大陸のプレートの構造と地震が起きる原理を説明
2011年~2020年で、マグニチュード6.0以上の地震は、全世界の17.9%が日本周辺で発生。
南海トラフ巨大地震の発生頻度 いつ起きても不思議ではない。
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そこで、震度7の激震の模擬体験をした。最初、模擬地震体験台で、震度6を体験して、その後、震度7の模擬体験で衝撃を受けた。震度6でもかなりの衝撃であったが、震度7は凄まじかった。我々が学校の教室で授業中との想定で、地震が起きた場合の模擬体験である。震度7で台が振動し始ると、目の前のスクリーンには、机が倒れ、机が飛んでくる状況である。なかなかにリアルな模擬体験である。
手前の支え棒に掴まっていても、振り飛ばされるほどの衝撃である。それが約1分間続いた。足腰が弱った方は、体験を辞退された。それは正解で、私も足腰が弱っていて、模擬振動中に振動台に乗ったことを後悔をした。実際、私の体力では、その衝撃に耐えることは危なかった。
まさに百聞は一震に如かず、である。いくら口で泡を飛ばしてその恐ろしさを論じても、実際の激震を体験すると、真剣にその対策をしようとする気になる。良き経験であった。
震度7の激震の模擬体験
目の前の机が跳んでくる。
支え棒に摑まっていても、振り飛ばされるほどの激震である。
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南海トラフ大地震は歴史的に、自然現象的にいつかは襲ってくる。その準備にやり過ぎることはない。
静岡県防災センタの説明では、南海トラフ大地震での当初想定された10万人の死者数を、対策で2万人の死者数の予想に下げられたそうだ。それでも一県だけで2万人の死者数予想である。全体では32万人の死者が予想されている。何事も備えが必要だ。
地震の予知は現時点では、不可能である。最近起きた大地震は、政府の予想していない場所ばかりで発生している。年間900億円もの金を地震予知に使いながら、全く成果が出ていない。予算を絞り、その金を防災予算に向けるべきだろう。
地震国の日本では、どこで起きても不思議ではない。だからこそ、日頃の備えが大事である。
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人生の地震、絶望、挫折
人は一回の挫折や絶望では自殺をしない。耐震補強をした家は一回の震度6の地震では、たいがいは家が傷むが倒壊しない。しかし熊本地震のように24時間以内に2回も震度6,7クラスの地震に襲われれば、一回目で傷んだ家を2回目の激震が倒壊させる。だから熊本地震の被害が甚大であったのだ。
日頃、辛い体験や嫌なことを多く味わって、そういう激震に耐える心の強さを養っておくことが大事であるとの思いを新たにした。
エリートとよばれる輩が、過保護に育てられ、実社会で1回の失敗を経験して、挫折する姿を勤めていた会社で目のあたりにした。
そういう点で、私はエリートではなかったので、叩かれ罵られ、虐げられて会社生活を送ったので、度重なる挫折には負けなかった。
2024-11-25 久志能幾研究所通信 2972号 小田泰仙
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