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2019年7月30日 (火)

「五医」:修身の基は健体康心

 身を修める前に、体が健康でなければ、修身はあり得ない。健康とは、健体(すこやかな体)と康身(やすらかな心)の両面が成立して健康である。体を健やかに保つこと。それはご先祖から命を与えられた人(ヒト・霊止)の務めである。

 

五医

一.  欲を少なくして惑いを医す 

    動物界の頂点に立つ人間でも、グロバーバル経済主義教に侵されると、集めても集めても、食べても食べても満腹感に達しない餓鬼道に落ちてしまう。それは畜生にも劣る存在である。癌の発病原因の第一は、大食いである。日本人に癌が急増しているのは、グローバル経済主義教に犯されて、餓鬼道に堕ちているからだ。テレビを見れば、食え喰えのCMばかりである。利他少欲が、人生の名医である。

二.  静座して躁(がさつさ)を医す  

  忙しい、忙しいと走る回り、手帳の予定表が真っ黒になっているのを誇るのは滑稽である。何のために走り回っているのか。忙しいのが善なのか。なぜその雑用を部下に任せられないのか。人を信用できないタイプなのか。なぜ考える時間が取れないのか。「働き1両、考え10両」と言った昔の人は偉い。

三.  事を省いて忙を医す 

  忙しさを誇り、やらなくても済むことまで、予算を取り、その完全消化を狙うから、無理無駄な仕事が増える。その仕事が本当に必要か、何故なぜ何故と5回繰り返して、それが必用かどうか、考えるべし。動けば、1分100円の費用が発生する。忙しさとは、心を亡くすと書く。「忙」の漢字を作り出した賢人の爪の垢を飲むべし。

四.  友をえらんで迂(にぶさ)を医す

   朱に交われば赤くなる。孟母三遷の教えを実行に移すべし。悪運は、悪友が運んでくる。私は、私の価値観に合わない人や、迷惑をかけた人は、切ることにしている。

五.  書を読んで俗を医す

   限られた人生で、自分で全ての経験をすることは不可能である。多くの師を訪ねることは無理である。それがわずか1000円チョットで、本を読む事で可能になる。自分が経験するなら2,3年かかる事象を、師を訪ねるなら百万円はかかることを、本はすぐ教えてくれる。本代をケチるべからず。本からの学びは心と頭の治療薬である。

「五医」とは安岡正篤師の言葉である。

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  馬場恵峰書   修身の基本は、健康と学びである。

 

2019-07-30   久志能幾研究所通信No.1277  小田泰仙

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