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2019年6月28日 (金)

一燈を掲げて雨中を行く

 昨日、梅雨入りの雨の中、車を走らせて気が付いたことは、昼間で雨中の走行で、点灯している車は5%ほどしかないことであった。雨が降ったら、昼間でもライトをつけるのが、交通事故防止の対策である。ライトで自分の存在を認識してもらえば、事故の確率が減る。

 点灯して走ることで、自分の行動に付加価値を与えることができる。事故が少ない運転という付加価値である。事故は人生の付加価値を削いでしまう。

 

人生走行

 人生で雨が降ったら傘をさす。松下幸之助翁が何時も言っている自然の理である。人生航路の見通しが悪くなったら、灯を掲げる。人生航路で、志を持って走るなら、目標という一燈を掲げて走りたい。周りの人に、己の意図を認識してもらえば、多くの援助がある。援助がない場合でも、邪魔はしないはずだ。

 

相手に認識してもらうことが事故防止

 相手に自分の存在を認識させることは、事故になる確率を確実に減らす。スウェーデンでは、1985年時点でも昼間からヘッドライトの点灯が法律で義務づけられていた。私がスウェーデンに出張したとき、現地でそれを確認したが、確かに効果が高い。

 現在では、商業車(現金輸送車等)でも「昼間、点灯しています」という表示をして走っている車が増えてきた。新幹線だって、昼間も点灯して走行している。

 昼間は目立ちすぎて少々恥ずかしいが、夕方なら早めにライトつけて走るべきだ。ただし、晴天夜間でのホォグランプの点灯は、人さまへのご迷惑でマナー違反である。まぶしいったらありゃしない。

 

「発見されやすさ」の確率

 「発見されやすさ」の確率を上げるためにも、暗くなりはじめた時や薄明かり時には、ヘッドライトを他車より早めに点灯すること。なぜなら、ヘッドライトは自分の為でなく、他車から自分の車を認識してもらうためにある。それが事故の確率を減らす。小雨や霧なら、ホォグランプ・ヘッドライトを点灯すること。

 ただし、スモールランプを点灯すのは不可である。スモールランプは停止している場合に、点灯するのが原則である。走っている時は、点灯しないのが国際ルールである。

 

暴走族の自己顕示欲

 暴走族に不思議と事故が少ない。これはあからさまな自己顕示をした派手な運転をするため。相手も恐ろしいので避けてしまう。その実態は、彼らが安全を確認してから、「信号無視」をしているからである。そのため事故が少ないと推定される。だから、「暴走族になって事故を減らそう?」はダメです。

 

「発見されにくさ」の確率

 夜間の「発見されにくさ」では、車の正面からの視認率を100とすると、後面のそれは10くらいに落ちる。車の側面からは車のヘッドライトは殆ど見えないため、その視認率は1くらいと推定される。だからこそ、右折で、脇道からメイン道路に進入する場合には、細心の注意が求められる。

 私が貰われ事故を起こしたのも、このケースです。また私が交通違反反則金を2回も払う羽目になったのも、「パトカー」を発見できなかった夜間であった。。。。。これからも夜間の運転自粛が望まれる。

 

無灯火運転

 暗くなったら、他車より早めにヘッドライトを点灯すること。気象庁発表の日没時刻後に、ヘッドライトを点灯せず事故を起こせば、法律的には無灯火違反と見なされる。事故負担割合判定でも不利となる。気象庁が定めた日没時刻以降は、いくら回りが明るくても、法律上は「夜」である。

 ゲーテも曰く「もっと光を!」

 

発見の確率

 事故防止には、事故を起こしに来る要因・物体を、いかに早く発見するかに尽きる。そのためには「発見する確率」と「発見される確率」を向上させること。事故原因の55%が「認知の遅れ」である(1967年自動車技術会の調査データ)。このことから、事故の要因(障害物等)の認知(発見)をいかに早くするかで、事故に合う確率は激減する。

 その認知の向上には、「発見しやすさ」と「発見されやすさ」を向上させればよい。「発見しやすさ」と「発見されやすさ」の確率を、1938年にローパーとハワードが、ドライバーの直前にダミー歩行者を飛び出させて実験してデータを得ている。

 

実験結果

 実験では、何が起こるかを全く予知していない被験者が運転する車の直前に、ダミー歩行者を飛び出させて、ドライバーがそれに気づいて、アクセルベダルから足を離す時点でのダミーから車までの距離を測定した。予知していれば当然視認した距離をLn 、実際にドライバーがダミー歩行者を視認した距離をNa として、〔Na /Ln 〕を横軸に、縦軸にダミー発見ドライバー数の累積頻度を図1に示す。これから下記のことが分かる。

 

・ダミー歩行者を予知せぬドライバーは、予知しているドライバーには見える視認距離の70%まで近づくまでは、一人もその存在に気づかない。

・50%の距離に近づくと、半分の人が気ずく。  

 予知しないドライバーが妨害物を発見する確率が50%になるのは、予知しているドライバーの視認距離の1/2になってから。

 つまり、意識して見れば人の2倍は見える

 だから音楽を聞きながらの運転はご法度である。 

・25%の距離まで近づいて、初めて全員が認識する。

 予知を意識した運転とそうでない場合では、事故を起こす確率が異なるのをこのデータは証明している。

Photo

図1 ドライバーの妨害物発見確率曲線 (V.J.ローバー “Trans,IES" 1938.05)

 

 事故の大半は「衝突する相手の車を発見しなったため」に起きている。

 事故件数を違反別に分類したデータ(図2)から、「安全不確認」、「脇見運転」、「一時不停止」、「動静不注視」、「漫然運転」のワースト5の合計は55.4%に達する。このワースト5こそが「不発見型」の事故である。

Photo_2

 運転者の内容別事故件数

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                馬場恵峰書

2019-06-28   久志能幾研究所通信 小田泰仙

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