体の組織細胞は数年で全て入れ替わる。腸管の上皮細胞は数日、血液は4か月、肌は一か月、骨は5か月で入れ替わる。今日の自分の体は、昨日の体ではない。毎日少しずつ細胞が入れ替わっている。その体を作る原資は食料である。
健康が運命を決める。健康でなければ、カネがあっても何もできない。健康とは体と心の健やかさを言う。体だけ健やかでも、心が健やかでなければ、健康とは言わない。
健康を害する最大の敵が、食べ過ぎである。食べ過ぎとは、自分の体の消化部門の細胞に過重労働(奴隷労働)を強いること。食べ物が胃に入ってこれば、消化器官は嫌でも働かざるを得ない。飽食とは、ブラック企業と同じ仕打ちを、自分の体にすることだ。その結果が、がん、糖尿病、脳梗塞、心筋梗塞、認知症への地獄の道である。
宇宙根源の理
遺伝と環境により老化速度は変わる。その比率は遺伝的要因が約2割、環境的要因が約8割である。新陳代謝の速度は加齢により低下していく。古い細胞の老廃物などが体内に残りやすくなり、その影響が体の変化として表れてくる。体の変化にも大きな個人差がある。それは、食事で内臓に強制労働を強いられれば、老いは早くなるのは宇宙根源の理である。
実際に、一卵性の双子でも喫煙者と非喫煙者とでは、老化の速度や見た目の年齢が違ってくることを米国の研究で実証した。
その差を生む環境因子を決めているのが、毎日の生活習慣。偏食や喫煙、睡眠不足、運動不足、ストレスの多い生活は、新陳代謝力を低下させることがここからも分かる。
日ごろから、下記のような健康的な生活習慣を続けているかどうかで、体内の部品交換の進み具合が変わる。その積み重ねが、数年後、数十年後の健康寿命を決める。日本人の健康寿命は72歳である。その後の9年間を寝たきりで過ごすか、現役で過ごすかは、日頃の健康創りにかかっている。
使わない器官は退化する、健康を創るとは辛い事
使わない器官は退化する。1週間寝ているだけで、体は、筋肉がもう必要がないものと判断して筋肉量を減らしてしまう。だから毎日、筋肉に負荷をかけて動かさないと筋肉は維持できないし強くもならない。だから筋肉量を維持することは辛い事だ。
頭も使わないと退化する。テレビばかり見て受動的になると、テレビに洗脳されて、認知症への道をまっしぐらである。65歳以上は15%が認知症である。75歳以上はそれが25%になる。
創造の「創」とは傷口のこと。偏の「リ」は、砥石と刀のことである。刀で皮膚を傷付ければ痛い。その傷口から血が噴き出す。侍は「なにくそ、こんなことで死んでたまるか」と傷口に酒を吹き付け、さらしを巻いて、決戦場に向かう。その傷口から新しい組織が生まれてくる。それが「創」である。
心の健康
豊かな食事をすれば細胞に栄養素が行き届いて細胞がより活性化するように、豊かな言葉を吐けば、より豊かな心が養われる。その反対に呪いの言葉を吐けば、その毒は自分の心を汚染せる。
心に入る正負の言葉の全容量は決まっていて、プラスの言葉が心に多く入れば、マイナスの言葉が出ていき、心が豊かになる。その反対にマイナスの言葉ばかり吐けば、心はマイナスで埋め尽くされる。そうやって心が創られる。いしきして言葉を選ばないと良い心は創れない。
欲望は暴走する
欲望が暴走するのは、頭が健康でなくなった現象である。人は少し多めのカネを手に入れると、更に多くのカネを求めるようになる。欲望が暴走し、更に欲望が大きくなる現象だ。その欲望は、社会の規範を蹴飛ばして暴走を更に加速する。
例えば、ソフトバンクの孫氏は、日本一の金持ちになっているのに、更に金が欲しいとカネ儲けに暴走している。税金とは社会インフラを使うための使用料金である。その社会インフラを使っても税金を払わねば、社会に対する犯罪である。しかし孫氏は社会インフラを使って巨額の商売をしても、税務上で細工をして表面上は赤字に見せかけて、税金を払わない。明らかに異常な行動である。社会に対する犯罪である。しかしそれが彼には分からなくなっている。つまり頭が健康ではなくなったのだ。それを「餓鬼道に堕ちた」という。餓鬼になった彼は尊敬できる経営者ではない。
2022-08-28 久志能幾研究所通信 2475 小田泰仙
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